本講義では素粒子・原子核・宇宙・物性など物理(に限らず)の諸分野に広く現れるトポロジカルソリトンを紹介する。トポロジカルソリトンの存在は、対象とする物理系のエネルギースケールや模型の詳細にはほとんど依存せず、系の対称性とその自発的破れが本質的に重要である。
本講義では相対論的な場の理論を中心に時空の次元・対称性・場の種類などに応じて、どのようなトポロジカルソリトンが存在するのか、そしてそれらがどのような性質を持つのかを説明する。
ソリトンに関するトピックはかなり幅広いが、まずはソリトンを特徴付ける位相不変量やホモトピー群といった基礎を解説し、ソリトン方程式の解析解・数値解の求め方・ダイナミクスなどを説明する。ディフェクト型ソリトンとテクスチャー型ソリトン・フェルミオンゼロモードの局在や超対称性を持つ理論におけるBPSソリトンを紹介する。
最近のトピックとして、数種のソリトンが複合的に現れるハイブリッド型ソリトン・多成分BEC系(Gross-Pitaevskii理論)の分数量子渦・有限密度QCDに現れるカイラルソリトン格子についても紹介し、トポロジカルソリトンが関係する研究の最近の進展を追う。
博士課程学生に対し、担当講師が設定する高い水準まで十分に内容を理解すること。
担当講師が設定する発展的課題を解決する。
対称性、トポロジー、トポロジカルソリトン
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
集中講義形式で日本語で行う。
12/11(月)13:00-17:30(途中休憩含む)
12/12(火)13:00-17:30(途中休憩含む)
12/13(水)13:00-17:30(途中休憩含む)
場所:未定
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 対称性の自発的破れとトポロジカルソリトン | 担当講師が講義中に指示する。 |
第2回 | トポロジカル電荷・ホモトピー群 | |
第3回 | ディフェクト型トポロジカルソリトン | |
第4回 | テクスチャー型トポロジカルソリトン | |
第5回 | フェルミオンゼロモード | |
第6回 | 超対称性とトポロジカルソリトン | |
第7回 | ハイブリッド型ソリトン | |
第8回 | 多成分BEC系(Gross-Pitaevskii理論)の量子渦 | |
第9回 | カイラルソリトン格子 |
Classical theory of gauge fields: Valery Rubakov (Transrated by Stephen S. Wilson), Princeton University Press
Cosmic strings and other topological defects: A. Vilenkin and E.P.S. Shellard, Cambridge monographs on mathematical physics
Topological solitons: Nicholas Manton and Paul Sutcliffe, Cambridge monographs on mathematical physics
Classical solutions in quantum field theory: Erick J. Weinberg, Cambridge monographs on mathematical physics
講義ノートを配る予定です。
授業中の質問や議論、および講義内容に関連したレポートによる。
特になし。