本講義では、分光イメージング走査型トンネル顕微鏡の進展に関して概説する。超伝導や磁性といった、固体において創発する様々な興味深い物性は、相関する多数の電子が担っている。そのため、電子状態を実験的に調べるための電子分光法は、物性研究にとって欠かせない。状態密度スペクトルの空間分布を原子レベルの空間分解能とサブmeVのエネルギー分解能で描き出すことのできる分光イメージング走査型トンネル顕微鏡法は、波数空間の電子状態を調べるための角度分解光電子分光法と並ぶ強力な電子分光法である。また、超低温・強磁場といった極限環境で動作するその特徴から、未知の創発物性の探索ツールとしても利用できる。本講義では、分光イメージング走査型トンネル顕微鏡法の原理と技術に関して概説した後、高温超伝導体・トポロジカル量子物性への応用について紹介する。
分光イメージング走査型トンネル顕微鏡の原理とデータ解析の基礎に関して理解すること。
分光イメージング走査型トンネル顕微鏡の応用例に関して知識を得ること。
分光イメージング走査型トンネル顕微鏡、極限計測、超伝導、トポロジカル量子現象
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
集中講義形式で英語で行う。
12/19(月) 10:45~12:25、13:45~15:25
12/20(火) 10:45~12:25、13:45~15:25、15:40~17:20
12/21(水) 10:45~12:25
12/22(木) 10:45~12:25+研究セミナー
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 1. 分光イメージング走査型トンネル顕微鏡概要 1-1. 創発物性と電子状態 1-2. 分光イメージング走査型トンネル顕微鏡の原理と技術 1-3. データ解析の基礎 1-4. 準粒子干渉効果 2. 超伝導研究への応用 2-1. 超伝導と分光イメージング走査型トンネル顕微鏡 2-2. 銅酸化物高温超伝導体 2-3. 鉄系超伝導体 3. 極限環境分光イメージング走査型トンネル顕微鏡 3-1. 極限環境の重要性 3-2. トポロジカル絶縁体 3-3. Majorana準粒子 4. 新しい展開と今後の展望 | 講義中に指示する。 |
特になし
特になし
課題・レポートを課す
なし