2020年度 物理学特別講義発展第三十   Advanced Special Lectures in Physics XXX

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
物理学コース
担当教員名
松田 理  佐藤 琢哉 
授業形態
講義
メディア利用
 
曜日・時限(講義室)
集中講義等   
クラス
-
科目コード
PHY.P670
単位数
1
開講年度
2020年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

ピコ秒レーザー音響法の物理 --- GHz-THz音響波伝播を光で見る

物質にピコ秒からサブピコ秒時間幅の光パルスを照射すると、GHz-THz領域の音響波が発生する。この音響波の伝播を、光ポンププローブ分光法に基づいて過渡的光反射率変化として測定する手法はピコ秒レーザー音響法と呼ばれ、試料の弾性的性質や構造のみならず、励起電子の超高速緩和など様々な物理的性質を知ることができる。さらにこれに光照射位置の空間的走査機構を加えることで、表面音響波伝播の時間分解2次元イメージングを行うことも可能で、フォノニック結晶・フォノニックメタマテリアル(音響的性の質の異なる材料を組み合わせて作製した構造で音響波伝播特性を自在に制御できるとともに、自然界には存在しない負の実効密度、実効弾性率を持つ媒質なども実現できる)等の複雑な構造における音響分散関係など種々の特性を実験的に評価できる。

本講義では、ピコ秒レーザー音響法の手法と応用を概観すると共に、この測定結果を理解するための音響波伝播、光伝播・散乱、物質中の光励起音響波生成などの様々な物理的側面を議論する。実験手法そのものはどちらかといえば特殊であるが、そこに含まれる物理は普遍的なものであり、物性物理の基礎をなすものである。

到達目標

弾性体の音響波伝播および固体中の光伝播の物理の基礎を理解する。
次いで不均一な媒質による光散乱の一般的な扱いを理解する。
その応用としてのレーザー超音波法の原理と応用を理解する。

キーワード

弾性波、光伝播、光散乱、ピコ秒レーザー音響法

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

教科書は使わず準備した資料を使用して講義を行う。
講義中に随時質問を受け付け、物理学的な理解を深める。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ピコ秒レーザー音響法の概要 固体中の光励起音響波生成と伝播1 弾性波動方程式 光誘起音響波生成 熱弾性過程 変形ポテンシャル 圧電効果 場合によってレポート
第2回 固体中の光励起音響波生成と伝播2 テンソルと回転 異方性媒質 転送行列の方法 場合によってレポート
第3回 固体中音響波伝播の光検出1 光散乱の理論 マクスウェル方程式と電磁波動方程式 等方的および異方的均一媒質と転送行列の方法 不均一媒質とグリーン関数の方法 場合によってレポート
第4回 固体中音響波伝播の光検出2 光弾性効果と表面・界面変位 干渉計 場合によってレポート
第5回 ピコ秒レーザー音響法 実験手法 不透明媒質 透明媒質 異方性媒質と横音響波 場合によってレポート
第6回 表面音響波の時間分解2次元イメージング1 実験手法 フォノニック結晶・フォノニックメタマテリアル 時間および時空間フーリエ解析 場合によってレポート
第7回 表面音響波の時間分解2次元イメージング2 任意周波数生成・検出法 非同期測定 まとめ 場合によってレポート

教科書

教科書は用いない

参考書、講義資料等

講義資料として準備したものを配布する。
それ以外の参考書としては

J. F. Nye, PHysical Properties of Crystals, Oxford University Press,
1957

B. A. Auld, Acoustic Fields and Waves in Solids, Krieger, 1990

砂川重信、理論電磁気学、紀伊國屋書店; 第3版 (1999)

成績評価の基準及び方法

出席とレポート課題によって評価する。

関連する科目

  • PHY.C441 : 結晶物理学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

学部レベルの力学、電磁気学、数学(微積分、線形代数)、量子力学の知識を仮定する。

このページのトップへ