2017年8月17日、連星中性子星の合体からの重力波がついに直接観測され、GW170817と命名された。一般に、重力波で発生する時空のゆがみは極めて小さく、それを捉えるためには、高感度の重力波検出器、高効率なデータ解析手法に加えて、到来する重力波などの理論予測が必要不可欠になる。この講義では、中性子星の物理と重力波の基礎からはじめて、GW170817における重力波検出に必要な「理論予測」の仕方について、その困難と面白さについて学ぶ。最後に、GW170817の観測とそのインパクトについて概観する。
中性子星の物理と重力波の基礎事項について理解する。
重力波イベントGW170817について、その概要を理解する。
重力波、一般相対性理論、中性子星
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
集中講義形式で行う
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 重力波の基礎事項 | 線形重力波方程式を導出し、重力波の運ぶエネルギー、偏波について理解する。 |
第2回 | 連星系からの重力波 | 四重極公式を導出し、それを連星系に適用してチャープ波形を導出する。 |
第3回 | 中性子星の構造 | 中性子星を支える力とその構造について理解する。 |
第4回 | 連星中性子星合体からの重力波 | 連星中性子星合体における重力波放出と、重力波による中性子星内部の観測について理解する。 |
第5回 | 連星中性子星合体からの電磁波 | 連星中性子星合体に付随する可能性のある電磁波放射について理解する。 |
第6回 | 数値相対論 | 数値相対論の概要について理解する。 |
第7回 | GW170817 | GW170817の観測とそのインパクトを理解する。 |
特になし。
アインシュタインの和の規約と一般相対論の基礎事項について学んでいることが望ましい。
普通の教科書レベルで十分であるが、例えば、
前者については、
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~yuichiro.sekiguchi/lecture_MP.pdf
の1.3, 1.4, 2.3節
後者については
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~yuichiro.sekiguchi/lecture_GR.pdf
の3.1, 3.2, 4.1, 4.2節
を参照されたい。
未定
なし