2016年度 磁性体の物理   Physics of Magnetic Materials

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開講元
物理学コース
担当教員名
田中 秀数 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(H137)  
クラス
-
科目コード
PHY.C439
単位数
1
開講年度
2016年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2016年12月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 磁性学は基礎と応用を含む幅広い学問で,長い研究の歴史がある。本講義では絶縁性磁性体の磁性について講義する。
 物質の磁気現象には,量子力学と多体効果が顕著に現れる。まず,固体中の磁性原子の電子状態からスタートし,磁性の担い手である電子のスピン間に働く交換相互作用などの磁気相互作用の説明と行う。続いて,最も安定な基底状態の磁気構造,相転移と臨界現象について述べる。その後は,磁気励起について説明する。また,磁性研究で重要な実験技術についても説明をする。更に,最近研究が盛んに行われている量子効果が顕著な低次元磁性やフラストレーションの強い磁性体の性質について紹介する。

到達目標

 本講義を履修することにより,以下の知識と能力を修得する。
1) 磁性原子(イオン)の電子状態を理解できる。
2) 磁気相転移とその原動力となる交換相互作用を理解できる。
3) 磁気励起を理解できる。
4) 磁性研究の実験手法を理解できる。
5) 最先端の研究を知ることができる。

キーワード

磁性,スピン,結晶場,交換相互作用,磁気構造,相転移,臨界現象,磁気励起,量子スピン系,フラストレーション

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の2/3は基礎的内容について,残る1/3は発展的内容と最先端の研究についての解説に充てる。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 磁性原子(イオン)の電子状態 磁性原子(イオン)の電子状態を説明せよ。
第2回 結晶場の効果 結晶場による電子状態の分裂を説明せよ。
第3回 交換相互作用 直接交換相互作用と超交換相互作用を説明せよ
第4回 基底状態の磁気構造 古典スピンハイゼンベルク模型の基底状態を説明せよ。
第5回 相転移と臨界現象 反強磁性体の相転移を分子場近似で説明せよ。
第6回 磁気励起 スピン波を説明せよ。
第7回 磁性研究の実験手法 磁場の発生法と測定方法をいくつか説明せよ。
第8回 量子スピン系とフラストレーションの強い磁性体 磁気量子相転移を例を示して説明せよ。

教科書

久保健,田中秀数 著:「磁性 I」朝倉書店

参考書、講義資料等

金森順次郎 著:「磁性」培風館,芳田  奎 著:「磁性」岩波書店,上村 洸,菅野 暁,田辺 行人 著:「配位子場理論とその応用」裳華房,小口 武彦 著:「磁性体の統計理論」裳華房

成績評価の基準及び方法

到達度をレポートで評価する。

関連する科目

  • 量子力学第一
  • 量子力学第二
  • 熱・統計力学第一
  • 熱・統計力学第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件を設けない。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

tanaka[at]lee.phys.titech.ac.jp, 3541

オフィスアワー

メールで事前予約すること。

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