量子コンピュータの理論的・実験的研究の成熟とともに、その分野への興味関心が高まりつつある。
その中で学問上で意外な接点を持つのが統計力学である。
組合せ最適化問題を解く量子アニーリングは、解くのに必要な計算量は、対象となる系の量子相転移と関係する。
量子誤り訂正符号は、スピングラス模型のフラストレーションとゲージ変換と関係する。
測定型量子計算は、その性質を調べるために古典スピン系の分配関数を利用する。
量子ランダム回路は、その典型的性能は古典スピングラス模型との対応が知られている。
こうした量子コンピュータを研究する上で、統計力学との対応関係は見逃せないものとなっている。
本講義では、そうした様々な接点について紹介し量子コンピュータを理解する上で必要な統計力学の知見を学んでいく。
量子コンピュータを統計力学の側面から理解できるようになる。
量子コンピュータ、量子アニーリング、統計力学、古典スピン系、スピングラス
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義を主体に行う。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 量子力学・統計力学の振り返り | 各種計算の確認 |
第2回 | 双対性による相転移の計算 | 各種計算の確認 |
第3回 | スピングラスとゲージ変換 | 各種計算の確認 |
第4回 | 量子誤り訂正符号とスピングラス | 各種計算の確認 |
第5回 | 測定型量子計算と分配関数 | 各種計算の確認 |
第6回 | ランダム量子回路とレプリカ法 | 各種計算の確認 |
第7回 | いくつかの進展 | 各種計算の確認 |
スピングラスと情報統計力学
観測に基づく量子計算
適宜配布する。
主にレポートによる
統計力学の基礎を理解していること