2022年度 素粒子物理学発展   Advanced Particle Physics

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開講元
物理学コース
担当教員名
久世 正弘 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2  木1-2  
クラス
-
科目コード
PHY.F436
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2022年3月16日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

学部の講義「素粒子物理学」に引き続き、素粒子の体系と相互作用を記述する標準模型のより高度な内容を、歴史的実験事実を踏まえて修得する。素粒子物理学は理論によるラグランジアン記述と実験による粒子測定がお互いを進めあって発展してきた。理論的予言と実験的発見の絡みを実感できるようにオリジナルの原著論文も紹介する。

本講義のねらいは、受講者が理論的な背景を把握することとともに、測定器に関しても様々な実験で実際に得られた測定結果の図などを使い理解させることにある。

講義の一部は英語で行われる。

到達目標

講義では素粒子標準模型が歴史的な発見や測定をもとに解説される。最先端の高エネルギー素粒子物理の話題や、実践的な検出器の解説が行われる。
受講者はこれらの解説をしっかりと理解し、発展的な考察をすることを目標とする。また、低エネルギー素粒子原子核実験から高エネルギーコライダー実験までの先端的な話題に触れ、分野全体を俯瞰できるようになることを目標とする。

キーワード

素粒子、標準模型、電子、μ粒子、ニュートリノ、クォーク、レプトン、ヒッグス、コライダー, 飛跡検出、運動量測定、エネルギー測定、標準模型を超える物理

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

黒板とスライドを用いた講義を行う。場合によりグループディスカッションを行うこともある。
新型コロナ感染状況によりZoomによるオンライン講義に移行する可能性がある。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション:標準模型の復習 基礎的な4元運動量の計算を解く。
第2回 パイオンのパリティとスピン パイオンのパリティをどう測ったか。
第3回 CP対称性の破れ(K中間子) クローニン・フィッチの実験を説明せよ。
第4回 電弱統一理論(歴史・理論的背景) ワインバーグ角の持つ3つの意味。
第5回 電弱統一理論(実験的検証) Zの分岐比の計算。
第6回 陽子の構造 ラザフォード散乱から出発してディラック散乱の式を導出せよ。
第7回 強い力の物理 漸近的自由性とは何か。
第8回 ニュートリノ振動の発見とニュートリノ質量 2世代のニュートリノ振動の式を導け。
第9回 ニュートリノ実験、最新・将来 ニュートリノの振動パラメータと質量についてどの実験が何を測定したか。
第10回 加速器の原理と実際 シンクロトロンの原理について説明せよ。
第11回 カロリメーターの原理と実際 カロリメーターの原理について説明せよ。
第12回 粒子識別の原理と実際 チェレンコフ検出器の原理について説明せよ。
第13回 飛跡検出の原理と実際 TPCの原理について説明せよ。
第14回 高エネルギー物理学の最新のトピックス 最先端の探索実験などに触れる

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし

参考書、講義資料等

「素粒子物理入門」渡邊靖志 著 (培風館)

「現代素粒子物理」久世正弘 他著(森北出版)

「素粒子物理学の基礎 I, II」長島順清 著 (朝倉書店)

「Introduction to High Energy Physics 4th edition」D.H.Perkins著 (Cambridge)

成績評価の基準及び方法

期末レポート,授業への積極的な参加姿勢,に基づく

関連する科目

  • PHY.F351 : 素粒子物理学
  • PHY.F350 : 原子核物理学
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  • PHY.F437 : 原子核物理学発展
  • PHY.Q433 : 場の理論I
  • PHY.F431 : 宇宙論
  • PHY.F432 : 天体物理学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

「素粒子物理学」を履修していることが望ましい。

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