2021年度 素粒子物理学発展   Advanced Particle Physics

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開講元
物理学コース
担当教員名
陣内 修 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2  木1-2  
クラス
-
科目コード
PHY.F436
単位数
2
開講年度
2021年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2021年4月1日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

学部の講義「素粒子物理学」に引き続き、素粒子の体系と相互作用を記述する標準模型のより高度な内容を、歴史的実験事実を踏まえて修得する。素粒子物理学は理論によるラグランジアン記述と実験による粒子測定がお互いを進めあって発展してきた。理論的予言と実験的発見の絡みを実感できるようにオリジナルの原著論文も紹介する。

本講義のねらいは、受講者が理論的な背景を把握することとともに、測定器に関しても様々な実験で実際に得られた測定結果の図などを使い理解させることにある。

講義の一部は英語で行われる。

到達目標

講義では素粒子標準模型が歴史的な発見や測定をもとに解説される。最先端の高エネルギー素粒子物理の話題や、実践的な検出器の解説が行われる。
受講者はこれらの解説をしっかりと理解し、発展的な考察をすることを目標とする。また、低エネルギー素粒子原子核実験から高エネルギーコライダー実験までの先端的な話題に触れ、分野全体を俯瞰できるようになることを目標とする。

キーワード

素粒子、標準模型、電子、μ粒子、ニュートリノ、クォーク、レプトン、ヒッグス、コライダー, 飛跡検出、運動量測定、エネルギー測定、標準模型を超える物理

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

Zoom及びスライドを用いた講義を行う。場合によりグループディスカッションを行うこともある。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション:標準模型の復習 基礎的な4元運動量の計算を解く。
第2回 メソンとバリオン、統計の話 統計に関する簡単な問題を解く
第3回 CP対称性の破れ(K中間子) 素過程をファインマンダイアグラムで表す
第4回 CP対称性の破れ(B中間子) コンプトン散乱の計算
第5回 電弱統一理論(歴史・理論的背景) Zの分岐比の計算。
第6回 電弱統一理論(実験的検証) 電弱統一論中で光子が質量を持たないことを証明する。
第7回 ヒッグス機構、ヒッグス粒子の発見、性質測定 ヒッグス粒子に関係するファインマン図を描く。
第8回 強い力の物理 8種のグルーオンと無色グルーオンの意味について議論する。
第9回 ジェットの物理 rapidityとpseudo rapidityの計算をし、その差を理解する。
第10回 ニュートリノ振動の発見とニュートリノ質量 ニュートリノ実験で使っている距離を計算してみる。
第11回 ニュートリノ実験、最新・将来 ニュートリノの反応率を計算してみる。
第12回 大統一論と超対称性 陽子崩壊の寿命の計算。
第13回 暗黒物質探索 tauの崩壊率、lepton universalityの確認
第14回 高エネルギー物理学の最新のトピックス 最先端の探索実験などに触れる

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

講義ノート(PDF)を各授業で配布する。

参考書、講義資料等

「素粒子物理入門」渡邊靖志 著 (培風館)

「現代素粒子物理」久世正弘 他著(森北出版)

「素粒子物理学の基礎 I, II」長島順清 著 (朝倉書店)

「Introduction to High Energy Physics 4th edition」D.H.Perkins著 (Cambridge)

成績評価の基準及び方法

期末レポート,授業への積極的な参加姿勢,に基づく

関連する科目

  • PHY.F351 : 素粒子物理学
  • PHY.F350 : 原子核物理学
  • PHY.F430 : ハドロン物理学
  • PHY.F437 : 原子核物理学発展
  • PHY.Q433 : 場の理論I
  • PHY.F431 : 宇宙論
  • PHY.F432 : 天体物理学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

「素粒子物理学」を履修していることが望ましい。

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