2017年度 物理学特別講義発展第九   Advanced Special Lectures in Physics IX

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
物理学コース
担当教員名
Seidl Ralf Christian  柴田 利明 
授業形態
講義
メディア利用
 
曜日・時限(講義室)
未定  
クラス
-
科目コード
PHY.P638
単位数
1
開講年度
2017年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2017年3月17日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

本講義では、Ralf Seidl氏が「RHICにおける陽子のスピン構造の研究」に焦点を当て、具体的な実験に則して解説をする。英語で講義を行うが、必要に応じて日本語で補足する。まず、強い相互作用の成り立ちから始め、現在目に見えるほぼすべての宇宙の物質において強い相互作用が果たしている役割を説明する。次いで、陽子のスピンと深く関わっている偏極パートン分布関数を紹介する。陽子のようなスピン1/2の粒子は簡単に記述されると思われていたが、実際にはどのようなパズルが現れ、どのように研究が進められてきたかを解説する。RHICはアメリカ・ブルックヘブン国立研究所の相対論的重イオン衝突型加速器で、偏極陽子同士の衝突実験ができる世界で唯一の装置である。他の隣接する分野の実験や現在計画されている電子-原子核衝突型実験についても説明する。
講義のねらいは、実験の具体例を示しながら、粒子加速器や偏極陽子ビームの制御、縦偏極や横偏極の陽子ビームによる実験の成果を伝えることにある。電子ビームによる実験との相補的な関係を解説することも重要な要素である。

到達目標

本講義を履修することによって学生は次の能力を習得する。
1) 陽子のスピンの内部構造に深く関わる非偏極および偏極パートン分布関数、破砕関数などの基本を理解できる。
2) 核子のスピン構造の研究の現在の状態を説明できる。
3) 現在計画中の電子-原子核衝突型実験の詳細を把握できる。

キーワード

強い相互作用、陽子のスピン構造、レプトン-陽子散乱、陽子-陽子反応、偏極、加速器

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

集中講義形式で行う。講義の途中で練習問題を扱い、簡単なテストも行う。授業では出席をとる。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 強い相互作用の歴史の簡潔な紹介 強い相互作用の主な特徴、歴史、およびその性質を再確認する
第2回 深非弾性散乱における核子の(スピン)構造、因子化 深非弾性散乱による核子の記述を理解する:構造関数とパートン分布関数
第3回 初期の深非弾性散乱実験:SLAC, EMC および HERAの実験 初期の深非弾性散乱実験によって解ったことを把握し、初期の偏極実験でどのようなパズルが生じたかについて学ぶ。
第4回 スピンとフレーバー(香り)を分解する役割を果たす破砕関数:ハドロンと同時計測する深非弾性散乱、およびハドロンの衝突反応 破砕関数の考え方を理解する。それを深非弾性散乱や陽子衝突実験にどのように活用するかを理解する
第5回 RHICにおける粒子加速器の複合的な構成 偏極陽子、その加速、および偏極度の測定について理解する
第6回 RHICにおけるグル―オンのスピンと海クォークのスピンの研究 実験によって明らかにされたグル―オンスピン、海クォークのスピンについて理解する
第7回 存在しないと考えられていた非対称度の発見:横偏極スピンの物理 横向きスピンによる非対称度とその解釈について理解する
第8回 将来計画:RHICにおける前方粒子測定、および電子-原子核衝突型実験 RHICにおける中期的な計画と、将来計画としての電子-原子核衝突型加速器について理解する

教科書

なし

参考書、講義資料等

「素粒子・原子核物理入門」B.ポッフ他著、柴田利明訳、丸善出版

成績評価の基準及び方法

出席およびテストの成績

関連する科目

  • PHY.F430 : ハドロン物理学
  • PHY.F351 : 素粒子物理学
  • PHY.F436 : 素粒子物理学発展
  • PHY.F350 : 原子核物理学
  • PHY.F437 : 原子核物理学発展

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

量子力学の知識を持っていることが望ましい。

このページのトップへ