ソフトマターと総称される物質の特徴と物理的性質を概観するとともに、代表的なソフトマターであるコロイド分散系、高分子、液晶、両親媒性分子に関する物理学の基礎的事項を取り扱う。個別のモデルから得られる具体的な理解と、様々なソフトマターを俯瞰する視点を獲得することで、ガラスや複雑流体の物理学、非平衡物理学、生物物理学などの先端的な話題にも関わるソフトマターの基礎知識を得ることが目標である。
本講義を履修することにより、以下の能力の習得が期待される。
1) ソフトマターの特徴と一般的性質を説明できる。
2) コロイド分散系、高分子、液晶、両親媒性分子のそれぞれについて、基礎的モデルに基づき、特徴的性質を説明できる。
ソフトマター、粘弾性、レオロジー、溶液、コロイド分散系、高分子、液晶、両親媒性分子
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
板書による昔ながらの講義スタイル
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | はじめに | ソフトマターの例と一般的特徴を説明できるようになる |
第2回 | 粘弾性とレオロジー | 応力と歪みの関係を説明できるようになる |
第3回 | 溶液とコロイド分散系 | 相分離が起こる条件を説明できるようになる |
第4回 | 高分子(その1) | 高分子鎖の長さと拡がりの関係を説明できるようになる |
第5回 | 高分子(その2) | 高分子溶液に関するFlory-Huggins理論を説明できるようになる |
第6回 | 液晶(その1) | 様々な液晶相の定義を対称性の観点から説明できる |
第7回 | 液晶(その2) | 液晶の弾性エネルギーを記述できるようになる |
第8回 | 両親媒性分子 | ミセルの形成を熱力学的観点から説明できるようになる |
土井正男、ソフトマター物理学入門、岩波書店 (2010)
イアン W. ハムレー、ソフトマター入門、シュプリンガー (2002)
到達度をレポートにより評価する。
履修の条件を設けない。