2022年度 プラズマ物理学   Plasma Physics

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開講元
物理学系
担当教員名
河村 徹 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月7-8(H116)  木7-8(H116)  
クラス
-
科目コード
PHY.C344
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2022年4月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 プラズマの基礎物理現象の理解に重点を置いた講義を行う。学部の基礎物理課程で習得する力学・電磁気学・熱力学・統計力学等の基礎知識を用い,単一荷電粒子の電磁場中での運動を始めとして,プラズマ流体の集団的物理現象について講述し,後半は主にプラズマ中の波動について講述する。
 電離層でのオーロラ現象や宇宙プラズマの研究を始めとして,核融合プラズマや半導体製造基盤技術の一つに挙げられるプラズマプロセスの研究に見られるように,プラズマ物理学は様々な分野で広がりをみせている。このような分野の複雑な物理現象の解釈に必須のプラズマ物理学の入門編として,本講義を通じて先の複雑系科学の理解力向上への一助とすることを目的とする。

到達目標

本講義を履修することによってプラズマ物理の基礎を習得することを到達目標とします。プラズマを構成する荷電粒子の集団的物理現象の基礎を理解し,身につけることを目指します。

キーワード

デバイ遮蔽,ドリフト運動,プラズマ周波数,電子プラズマ波,イオン音波,高・低域混成振動,静電イオンサイクロトロン波,正常波,異常波,R・L波,両極性拡散,電磁流体方程式,ボルツマン方程式,ランダウ減衰

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

指定した教科書を用いて講述する。補足説明の必要な単元については参考書を用い,講述内容を補完する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 デバイ遮蔽、プラズマであるための条件 プラズマを記述する基礎パラメータについて説明せよ。
第2回 単一荷電粒子の運動 -1- : 空間的に一様な電磁場中でのドリフト運動 空間的に非一様な磁場中でのドリフト運動 指定された電磁場における荷電粒子のドリフト運動について説明せよ。
第3回 単一荷電粒子の運動 -2- : 空間的に非一様な電場中でのドリフト運動 時間的に変化する電場中でのドリフト運動 指定された電場における荷電粒子のドリフト運動について説明せよ。
第4回 流体としてのプラズマ -1- : プラズマの誘電定数、プラズマ流体の運動方程式(1) 自己無撞着に電磁場とプラズマ運動を記述する流体方程式について説明せよ。
第5回 流体としてのプラズマ -2- : プラズマ流体の運動方程式(2) 磁場に垂直(平行)なプラズマ流体のドリフト運動 磁場中のプラズマ流体のドリフト運動について説明せよ。
第6回 プラズマ中の波動 -1- : プラズマ振動、外部磁場がないプラズマ中の波動(横波) 外部磁場がない場合のプラズマ中での横波の伝搬特性について説明せよ。
第7回 プラズマ中の波動 -2- : 外部磁場がないプラズマ中の波動(縦波) -電子プラズマ波,イオン音波 - 電子プラズマ波とイオン音波の伝搬特性について説明せよ。
第8回 プラズマ中の波動 -3- : 外部磁場に垂直な方向に伝搬する波動 - 高域混成振動,低域混成振動,静電イオンサイクロトロン波- 高・低域混成振動と静電イオンサイクロトロン波の伝搬特性について説明せよ。
第9回 プラズマ中の波動 -4- : 外部磁場に垂直な方向に伝搬する波動 - 正常波、異常波 -,遮断周波数と共鳴周波数- 正常波と異常波の伝搬特性について説明せよ。遮断周波数と共鳴周波数について説明せよ。
第10回 プラズマ中の波動 -5- : 外部磁場に平行な方向に伝搬する波動 - R波、L波 (ホイスラー波とアルベン波を含む) - R波、L波の伝搬特性について説明せよ。
第11回 プラズマの拡散現象 : 拡散係数と移動度,両極性拡散 両極性拡散について説明せよ。
第12回 完全電離プラズマ中の衝突現象 : 衝突周波数とプラズマ抵抗、 大角度散乱と小角度散乱 衝突周波数とプラズマ抵抗の関係について説明せよ。 クーロン対数について説明せよ。
第13回 完全電離プラズマの電磁流体方程式 電磁流体方程式は低周波の波の現象を対象としている。これよりプラズマ流体の流速に対する条件を導出せよ。
第14回 プラズマ運動論入門 : ボルツマン方程式と流体方程式、ランダウ減衰 電子プラズマ波の位相速度がプラズマの熱速度に近くなると、ランダウ減衰の影響する理由を説明せよ。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

プラズマ物理入門 内田岱二郎 訳,丸善株式会社

参考書、講義資料等

小笠原正忠・加藤鞆一 共訳,プラズマ物理の基礎,丸善株式会社
(英語版:Dwight R. Nicholson, Introduction to Plasma Theory, John Wiley & Sons, Inc.)

成績評価の基準及び方法

講義にて講述したプラズマ現象の理解度を,期末試験および講義中に時折おこなう小テストによって評価し本授業科目の成績とする。

関連する科目

  • 特になし。

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件を設けない。

その他

特になし。

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