2018年度 素粒子物理学   Elementary Particles

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開講元
物理学系
担当教員名
久世 正弘 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(H135)  金7-8(H135)  
クラス
-
科目コード
PHY.F351
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2018年9月6日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

【概要】自然界の基本法則と基本構成要素を探求する素粒子物理学について講義する。今日の素粒子物理学は標準模型と呼ばれる理論の枠組みでうまく記述できる。このような理解がどのようにして得られたのかを、歴史的な実験事実に基づいて解説する。

【ねらい】講義は主に素粒子物理学の基礎を概説する部分と、実験的な側面を理解するうえで必要となる検出器・加速器などの解説をおこなう部分に分かれる。これらの基礎を踏まえ、最先端の研究施設においてどのような実験が行われているかについても概観する。

到達目標

【到達目標】 本講義を受講することにより、素粒子物理に対する基本的な考え方、概観的な知識を習得することを目標とする。また最先端の計測技術により行われてきた一連の歴史的実験を俯瞰することにより、背景にある物理との関係性について深い理解を得ることを目標とする。
【テーマ】 本講義では素粒子の標準模型を中心に説明する。その中核を担う場の理論、ゲージ理論を概説し、関連する実験、クォーク模型、標準模型を構成する電弱統一理論、強い相互作用、ヒッグス機構などについて解説してゆく。

キーワード

レプトン、クォーク、ゲージボソン、弱い相互作用、強い相互作用、電弱統一理論、ヒッグス、加速器、検出器

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

板書を中心とするが、必要に応じプロジェクターを使用する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 素粒子と場 波動関数と場の概念を説明できる
第2回 相対論的運動学 静止したパイ中間子が崩壊した時のミュー粒子の運動量を計算せよ
第3回 素粒子の種類と相互作用 素粒子の種類と相互作用を述べよ
第4回 粒子の安定性と保存則 どのような保存則が粒子の安定性を決めているのか理解する
第5回 共鳴幅、崩壊分岐比、断面積、ルミノシティ 粒子の幅と寿命の関係を理解する
第6回 加速器の原理と実際 シンクロトロンの原理を説明せよ
第7回 素粒子と物質の相互作用 ベーテ・ブロッホの式の意味を述べよ
第8回 粒子の検出・基本編 プラスチックシンチレータと光電子増倍管を用いた荷電粒子検出器の原理を述べよ
第9回 粒子の検出・具体例 コライダー測定器の構造を理解する
第10回 弱い相互作用とパリティの破れ ミューオンの寿命からフェルミ結合定数を求めよ
第11回 ニュートリノの断面積 加速器ニュートリノの物質中での平均自由行程を計算せよ
第12回 クォーク混合とGIM機構 FCNCとは何か
第13回 第3世代フェルミオンとCKM行列 トップ・クォーク対が生成した場合検出器でどのように観測されるか
第14回 ニュートリノ質量とニュートリノ振動 ニュートリノ振動の式を導け
第15回 素粒子標準模型を超える物理の探索 標準模型が不完全であると思われる理由は何か

教科書

特に定めない

参考書、講義資料等

久世正弘ほか 「現代素粒子物理」森北出版
渡邊靖志著 「素粒子物理入門」 培風館 
長島順清 「素粒子物理学の基礎I, II」 朝倉書店
D. H. Perkins, "Introduction to High Energy Physics", Cambridge University Press (Kindle版もあり)

成績評価の基準及び方法

講義中に行う小テスト、及び期末レポートにより評価する

関連する科目

  • PHY.Q207 : 量子力学入門
  • PHY.F350 : 原子核物理学
  • PHY.F352 : 宇宙物理学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

量子力学の基礎を修得していること。

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