2016年度 素粒子物理学   Elementary Particles

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開講元
物理学系
担当教員名
久世 正弘 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火1-2(H113)  金1-2(H113)  
クラス
-
科目コード
PHY.F351
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

【概要】自然界の基本法則と基本構成要素を探求する素粒子物理学について講義する。今日の素粒子物理学は標準模型と呼ばれる理論の枠組みでうまく記述できる。このような理解がどのようにして得られたのかを、歴史的な実験事実に基づいて解説する。

【ねらい】講義は主に素粒子物理学の基礎を概説する部分と、実験的な側面を理解するうえで必要となる検出器・加速器などの解説をおこなう部分に分かれる。これらの基礎を踏まえ、最先端の研究施設においてどのような実験が行われているかについても概観する。

到達目標

【到達目標】 本講義を受講することにより、素粒子物理に対する基本的な考え方、概観的な知識を習得することを目標とする。また最先端の計測技術により行われてきた一連の歴史的実験を俯瞰することにより、背景にある物理との関係性について深い理解を得ることを目標とする。
【テーマ】 本講義では素粒子の標準模型を中心に説明する。その中核を担う場の理論、ゲージ理論を概説し、関連する実験、クォーク模型、標準模型を構成する電弱統一理論、強い相互作用、ヒッグス機構などについて解説してゆく。

キーワード

レプトン、クォーク、ゲージボソン、弱い相互作用、強い相互作用、電弱統一理論、ヒッグス、加速器、検出器

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

板書を中心とするが、必要に応じプロジェクターを使用する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 素粒子と場 波動関数と場の概念を説明できる
第2回 相対論的運動学 静止したパイ中間子が崩壊した時のミュー粒子の運動量を計算せよ
第3回 素粒子の種類と相互作用 素粒子の種類と相互作用を述べよ
第4回 粒子の安定性と保存則 どのような保存則が粒子の安定性を決めているのか理解する
第5回 粒子の散乱事象と加速器実験 散乱実験と断面積、加速器の原理について理解する
第6回 粒子の検出・測定原理 粒子と物質の相互作用について述べよ
第7回 粒子の検出・具体例 素粒子の検出器の例を挙げ、原理を説明せよ。
第8回 量子電磁力学 湯川の中間子論:なぜ到達距離が短いのか
第9回 クォーク模型と新粒子発見 メソンとバリオンについて学び、なぜ新しいクォークが必要とされたのか理解する
第10回 弱い相互作用 ミューオンの寿命を次元解析から導出せよ
第11回 強い相互作用 摂動的QCD、非摂動的QCDが適用される物理現象の例を挙げよ
第12回 電弱統一理論 - 弱い力の発散、荷電・中性カレント フェルミの4点相互作用が発散する例について述べよ
第13回 電弱統一理論 - ワインバーグ角、ゲージボソンの発見 ワインバーグ角とは何か
第14回 ヒッグス機構とヒッグス粒子の測定 ヒッグスボソンの生成と同定の方法を述べよ
第15回 素粒子標準模型を超える物理の探索 標準模型が不完全であると思われる理由は何か

教科書

特に定めない

参考書、講義資料等

渡邊靖志著 「素粒子物理入門」 培風館 
長島順清 「素粒子物理学の基礎I, II」 朝倉書店
D. H. Perkins, "Introduction to High Energy Physics", Cambridge University Press (Kindle版もあり)

成績評価の基準及び方法

講義中に行う小テスト、及び期末レポートにより評価する

関連する科目

  • PHY.Q207 : 量子力学入門
  • PHY.F350 : 原子核物理学
  • PHY.F352 : 宇宙物理学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

量子力学の基礎を修得していること。

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