Kähler幾何においてKähler-Einstein計量やスカラー曲率一定Kähler計量 (cscK計量) といった標準Kähler計量の存在問題は基本的な問題の一つであり, 今なお研究が進んでいる. この講義では, 最近ScarpaとStoppaが導入したHcscK計量という新しい標準Kähler計量の存在問題及び関連する問題について解説する. その基本的事項を理解することが本講義の狙いである.
・Kähler多様体の定義及びその基本的事項を修得すること
・曲率の概念に親しむこと
・スカラー曲率を運動量写像とみなせることを理解すること
・HcscK系及びHcscK計量の定義と基本的性質を理解すること
Kähler多様体, cscK計量, 超Kähler多様体, 超Kähler運動量写像, HcscK系, HcscK計量, K-安定性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式で行う. また, 適宜レポート課題を出す.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 概ね以下の内容を順に解説する予定である. ・Kähler多様体の基本事項 ・Kähler多様体の曲率, cscK計量 ・藤木-Donaldsonの運動量写像描像 ・余接束の超Kähler構造と超Kähler運動量写像 ・HcscK系とHcscK計量 ・安定性との関係 (時間があれば) | 講義中に指示する |
特になし
Carlo Scarpa, The Hitchin-cscK system, PhD Thesis, Scuola Internazionale Superiore di Studi Avanzati
(またはarXiv:2010.07728)
レポート課題(100%)による.
上記「関連する科目」についてよく理解していることが期待される