微分幾何学および複素幾何学における基本的な概念を概観するとともにリッチ曲率と位相構造の関係などのやや進んだ話題について解説し、リッチ平坦コンパクトケーラー多様体について学ぶ。講義の進行状況によってはK3曲面の基本的な性質も解説する。
・コンパクトケーラー多様体の持つ顕著な性質を理解すること
・正の曲率をもつ直線束の基本的な性質について理解すること
・コンパクトケーラー曲面の基本的な性質を理解すること
・ケーラー多様体、リッチ平坦ケーラー多様体などの「特殊な」リーマン多様体の位置づけをホロノミー群の観点から理解すること
・カラビ予想とその帰結を理解すること
チャーン類、曲率形式、ケーラー多様体、正の直線束、調和微分形式、リッチ形式、 ホロノミー群、ホッジ分解、カラビ予想、ホロノミー群、ボホナー原理
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | コンパクトリーマン多様体上の調和積分論 | 定義と性質の確認 |
第2回 | 複素ベクトル束の接続、曲率、チャーン類 | 定義と性質の確認 |
第3回 | ケーラー多様体とホッジ分解1 | 定義と性質の確認 |
第4回 | ケーラー多様体とホッジ分解2 | 定義と性質の確認 |
第5回 | コンパクトケーラー曲面 | 定義と性質の確認 |
第6回 | ホロノミー群 | 定義と性質の確認 |
第7回 | リッチ曲率とホロノミー表現、Calabi予想 | 定義と性質の確認 |
学修効果を上げるため,参考書等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし
小林昭七「複素幾何」(岩波書店)
レポート課題(100%).
本講義は完全に入門的な講義ではない。リーマン幾何と複素幾何の基礎事項にある程度慣れ親しんでいることが望ましい。