本講義では、結び目、絡み目、三次元多様体、Alexander 多項式、Morse 理論、Floer ホモロジー等の概念を理解するとともに、基本的な性質を自力で証明できることを目標とする。Floer ホモロジーは現代位相幾何学および周辺科学における先進的な分野であり、適用範囲の広い概念である。本講義では Heegaard Floer homology とその応用を学ぶ。
この講義の目的は、受講生が研究を始められるよう、低次元トポロジーにおける重要事項を解説することである。
結び目、絡み目、三次元多様体、Alexander 多項式、種数とファイバー性、Morse 理論、Floer ホモロジー
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の授業
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | コンパクト性 (broken flow lines)、Morse 複体、貼り合わせ | 定義と性質の確認 |
第2回 | Morse ホモロジーと特異ホモロジーとの同型 | 定義と性質の確認 |
第3回 | シンプレクティック幾何学、ラグランジュ部分多様体、action functional | 定義と性質の確認 |
第4回 | 擬正則曲線、ラグランジュ部分多様体の交叉理論、Maslov 指数 | 定義と性質の確認 |
第5回 | Heegaard 図式、spin^c 構造 | 定義と性質の確認 |
第6回 | 閉多様体の Heegaard Floer ホモロジー | 定義と性質の確認 |
第7回 | d^2=0 や不変性、結び目 Floer ホモロジーの最初の定義 | 定義と性質の確認 |
第8回 | sutured Floer homology、種数およびファイバー性の決定の証明 | 定義と性質の確認 |
特になし.必要に応じて講義資料を配布する.
講義の概略として, Juhasz 氏の論文 (arXiv:1310.3418) と Manolescu 氏の論文 (http://arxiv.org/abs/1401.7107) を使う。
Morse 理論については, Hutchings 氏の講義ノートが参考になる。(http://math.berkeley.edu/~hutching/teach/276-2010/mfp.ps)
レポート課題による
代数トポロジー(ホモロジー、コホモロジー、基本群等)を仮定する。基本的な複素解析を知っていることが望ましい。「幾何学特論G1」を履修していること。
予備知識を気にせず、わからないことは率直に聞いてください。