本講義の主な題材は、ベクトル束の特性類に関する基本的な諸概念である。特異ホモロジー論に関するいくつかの基礎事項を導入した後、Thomの同型定理を証明し、向きづけられたベクトル束のEuler類を定義する。次に、その他の特性類、すなわちStiefel-Whitney類、Chern類、Pontrjagin類を導入し、その基本的な性質を述べる。最後に、特性類の応用を言及する。
ベクトル束の特性類は位相幾何学および微分幾何学における基本的な概念の一つである。本講義は特性類に関する入門的な講義であり、最先端の幾何学を学ぶためのいくつかの予備知識を提供する。本講義は第1クォーターに行われる「幾何学特論E1」の続論である。
・ベクトル束の特性類の原理を理解すること
・Thomの同型定理の正確な内容と意義を理解すること
・簡単な場合に、特性類の計算ができるようになること
特性類、Thom同型、Euler類
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式による講義
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 特性類という概念 | 講義中に指示する |
第2回 | 特異ホモロジーと特異コホモロジー | |
第3回 | コホモロジーの積構造(カップ積・クロス積)、切除定理 | |
第4回 | Thomの同型定理とその証明、Thom類 | |
第5回 | Euler類とその性質、Gysin完全系列 | |
第6回 | Stiefel-Whitney類とその性質、射影空間のはめ込み可能性 | |
第7回 | Chern類・Pontrjagin類とその性質 | |
第8回 | 展望 |
使わない
田村一郎「微分位相幾何学」岩波書店
ミルナー/スタシェフ「特性類講義」丸善出版
フーズミュラー「ファイバー束」
レポート課題(100%).
位相空間、多様体、ホモロジー群に関する知識を仮定する。幾何学特論E1を履修していることが望ましい。