一般相対理論は、アインシュタイン方程式と呼ばれる非線形偏微分方程式系によって定式化される時空の構造を調べ
ることを目的とする分野である。
本授業では、一般相対性理論に関連する微分幾何学の紹介を行う。アインシュタイン方程式の導出からちょうど100年経過した現在その理論は膨大な拡がりをもつが、本講義においては微分幾何学、とくにリーマン幾何学に関連する話題を適宜抽出してできるだけ簡潔に解説することを目標とする。
アインシュタイン方程式をみたす4次元時空の幾何学的な構造について、微分幾何学および偏微分方程式の言葉を用
いて表現する手段を体得する。微分多様体の基本的な理解のもと、アインシュタイン計量を持つ4元ローレンツ多様体の特徴付けを行う。アインシュタイン方程式の静的解、定常解の幾何学的な解釈を通して、またアインシュタインにとって一般相対性理論の試金石となったマックスウェル方程式の理論を通して、アインシュタイン方程式のコーシー初期値問題としての定式化をおこなう。時空の大域的な振る舞いを表現するペンローズの理論の理解を目指す。
アインシュタイン方程式、変分法、ローレンツ幾何学、双曲型偏微分方程式系のコーシー問題、ハミルトニアン形式
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 以下の内容を順に解説する予定である. ミンコフスキー空間とマックスウェル方程式 コーシー問題としてのマックスウェル方程式 レビ・チビタ接続と測地線 アインシュタイン方程式の導出 ポスト・ニュートン近似 コーシー問題としてのアインシュタイン方程式 シュバルツシルト時空の幾何学 正質量定理とペンローズ予想 | 講義中に練習問題として指示する。 |
使用しない
Noel Hicks, Notes on Differential Geometry
Robert Wald, Introduction to General Relativity
P. ディラック, 一般相対性理論
佐々木節,一般相対論
レポート課題(100%)による.
特になし