リーマン面の幾何学、特にコンパクトリーマン面間の正則写像の一致点の理論について、最新の内容を含めて解説する。講義をすすめる過程で、微分形式、ホッジ分解、ヤコビ多様体、Lefschetz trace formula について扱う。本講義は、2014年度に開講された幾何学特論第四(Special Lectures on Geometry IV)の続編というべきものであるが、基本的なところからもう一度解説してゆくので、これ単独で受講しても十分理解可能である。
この分野における最新の話題の理解を目指す。理解の定着のために、講義中に演習問題を提示するので、レポートとして提出すること。
二つの多様体間の写像の一致点の数の具体的な評価は、解の存在と個数評価、という数学の根源的な問題の多様体版である。
この問題に関して,複素多様体として次元最小であるリーマン面において理論を展開する。
そこでは次元が小さいため、見通しが立て易いうえに、リーマン面上という特殊事情により、いくつか簡潔な定理を示し得る。
この分野における最新の話題の理解を目指す。
リーマン面、微分形式、ホッジ分解、ヤコビ多様体、Lefschetz trace formula。
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各講義、授業計画にある項目の解説に充てる。講義内容の確実な理解のために、講義内容に関連したレポート課題を出題する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | リーマン面 | 2回目以降も含めて、扱う項目の深い理解。 |
第2回 | リーマン面間の正則写像 | |
第3回 | 微分形式、ホッジ分解 | |
第4回 | ヤコビ多様体 | |
第5回 | 不動点,一致点 | |
第6回 | Lefschetz trace formula | |
第7回 | Holomorphic Lefschetz number | |
第8回 | Eichler trace formula |
H. M. Farkas and I. Kra, Riemann surfaces, GTM 71, Springer-Verlag
P. Griffiths and J. Harris, Principles of Algebraic Geometry, Wiley classic library ed., John Wiley & Sons, Inc.
上記レポートの解答状況による。
特になし。
2016年度に大学院に入学した学生は、この科目を教職科目として使うことはできません。
本年度の履修登録に当たっては十分に注意をして下さい。