本講義では、結び目、絡み目、三次元多様体、Alexander 多項式、Morse 理論、Floer ホモロジー等の概念を理解するとともに、基本的な性質を自力で証明できることを目標とする。理解の定着のために、講義中に演習問題を提示するので、レポートとして提出すること。
この講義の目的は、受講生が研究を始められるよう、低次元トポロジーにおける重要事項を解説することである。
本講義の主要なテーマは結び目と三次元多様体に対応する Floer ホモロジー群である。 Floer ホモロジーは現代位相幾何学および周辺科学における先進的な分野であり、適用範囲の広い概念である。本講義では、低次元トポロジーの基礎、その後 Heegaard Floer homology、さらにその応用を学ぶ。
結び目、絡み目、三次元多様体、Alexander 多項式、種数とファイバー性、Morse 理論、Floer ホモロジー
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎週講義で理論を説明する。レポート問題を解いてもらう。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 結び目、絡み目、その種数とファイバー性、結び目 Floer ホモロジーの性質 | 講義中に指示する |
第2回 | Alexander 多項式(無限巡回被覆、Rolfsen’s surgical view、Seifert 行列)、Seifert の定理 | 講義中に指示する |
第3回 | Neuwirth の定理、Alexander 多項式の Fox calculus による定義 | 講義中に指示する |
第4回 | Kauffman’s state model、Conway のスケイン関係式、grid diagrams | 講義中に指示する |
第5回 | 結び目 Floer ホモロジーの組み合わせ的な定義、次数、Euler 標数 | 講義中に指示する |
第6回 | d^2=0 や不変性の証明、一般的な Floer ホモロジーの概要 | 講義中に指示する |
第7回 | Morse 函数、Morse の補題、sublevel set の変化、三次元多様体の Heegaard 分解 | 講義中に指示する |
第8回 | 勾配流、横断性、モジュライ空間とその向き | 講義中に指示する |
第9回 | コンパクト性 (broken flow lines)、Morse 複体、貼り合わせ | 講義中に指示する |
第10回 | Morse ホモロジーと特異ホモロジーとの同型 | 講義中に指示する |
第11回 | シンプレクティック幾何学、ラグランジュ部分多様体、action functional | 講義中に指示する |
第12回 | 擬正則曲線、ラグランジュ部分多様体の交叉理論、Maslov 指数 | 講義中に指示する |
第13回 | Heegaard 図式、spin^c 構造、閉多様体の Heegaard Floer ホモロジー | 講義中に指示する |
第14回 | d^2=0 や不変性、結び目 Floer ホモロジーの最初の定義 | 講義中に指示する |
第15回 | sutured Floer homology、種数およびファイバー性の決定の証明 | 講義中に指示する |
特になし
講義の概略として, Juhasz 氏の論文 (arXiv:1310.3418) と Manolescu 氏の論文 (http://arxiv.org/abs/1401.7107) を使う。
Morse 理論については, Hutchings 氏の講義ノートが参考になる。(http://math.berkeley.edu/~hutching/teach/276-2010/mfp.ps)
レポートによって評価する。詳細は講義中に指示する
複素解析 (リーマンの写像定理まで) や代数的位相幾何学 (ホモロジー, ホモトピー等), 多様体論 (例えば, ベクトル場の軌道曲線) が役に立ちますが, 好奇心を持つことが一番大事でしょう.