本講義では, 金融セクターを中心に実社会で活用されている数理について, 解説する. まず, 金融セクターでの数理の活用例を概観し, 確率微分方程式や数理ファイナンスの基礎を解説, その上でそれらの理論を実装する方法を解説する. 更に, 現代数学が実社会での問題の解決にどう寄与しているか解説する. 特に, 将来金融機関で数理専門職の「クオンツ」として働くことを希望する学生が実務に入りやすくなる助けとすると共に, 数学を研究する学生に金融の現場での種々の数理的課題を紹介することを目的とする.
講義内容は, 参加者の希望に応じて変動するが, 以下のようなトピックを想定している:
1. 金融数理概観 (金融商品・デリバティブとは、二項モデル、ブラックショールズモデル)
2. 伊藤解析と数理ファイナンスの基礎 (伊藤解析の基本的な結果と、それによる無裁定・複製による価格付理論の紹介)
3. 計算ファイナンスの諸問題 (モンテカルロシミュレーション / 確率微分方程式の離散近似 / 有限差分法)
4. 現代数学(マリアバン解析)の貢献例
計算機を用いた課題を多く出す想定である. 確率論の基本的な予備知識は仮定するが, 確率微分方程式や数理ファイナンスの予備知識は仮定しない.
・確率論や数理ファイナンスが金融の現場でどう使われているか知ること
・数理ファイナンスの最先端の話題を自らの力で調査できるようになること
・普段研究している数学と実社会の繋がりの一端を感じること
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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担当教員は金融機関において数理を用いる実務と研究に携わってきた. それらの経験から, 数学の理論が実社会での問題解決に本質的に活かされている実例を多く挙げる. |
数理ファイナンス, デリバティブ・クオンツ, 無裁定価格理論, 確率微分方程式, モンテカルロシミュレーション, マリアバン解析
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 金融商品の価格付の基礎 | 講義中に指示する |
第2回 | 確率微分方程式と数理ファイナンスの基礎 | 講義中に指示する |
第3回 | 計算ファイナンスの基礎 | 講義中に指示する |
第4回 | 計算ファイナンスの実践(実装方法等の解説) | 講義中に指示する |
第5回 | 現代数学の貢献例 | 講義中に指示する |
講義中に紹介する
講義中に紹介する
レポート課題(100%)による.
特になし