幾何学的変分問題への応用を第一の目標とした,幾何学的測度論の基礎事項について解説する.特に4Qに解説する,幾何学的測度論の枠組みで考える平均曲率流のBrakke流を理解するために必要な知識について重点的に解説する.
与えられた閉曲線を境界に持つ最小面積曲面の存在及びその正則性を問うプラトー問題は非常に古典的な変分問題のひとつであるが,近年その動的版の問題である平均曲率流の研究が微分幾何学的および変分的観点から盛んになされている.平均曲率流は特異点を発生させるため,幾何学的測度論で扱われるような特異性をもつ曲面のクラスでその存在を示すのが自然である.この講義では測度論の基礎的な事柄から始め,可算修正可能集合や密度の概念に習熟することをねらう.
・測度論の基礎的な被覆定理の議論を行うことができる.
・可算修正可能集合の基本的な性質を使って証明を理解できる.
・測度と第一変分の幾何学的,解析的関連性を見通せる.
・バリフォールドの枠組みで第一変分を理解できる.
幾何学的測度論,可算修正可能集合,第一変分,面積公式,平均曲率
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 測度論入門 | 講義中に指示する |
第2回 | ハウスドルフ測度 | |
第3回 | リプシッツ関数とRademacherの定理 | |
第4回 | 部分多様体 | |
第5回 | 面積公式と第一変分 | |
第6回 | 可算修正可能集合 | |
第7回 | 可算修正可能集合の第一変分 | |
第8回 | バリフォールド |
Introduction to geometric measure theory, Leon Simon
Measure theory and fine properties of functions, Lawrence C. Evans and Ronald F. Gariepy
レポート(100%)
ルベーグ積分論,曲面論
tonegawa[at]math.titech.ac.jp