2016年度 数学最先端特別講義F   Special lectures on current topics in Mathematics F

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開講元
数学コース
担当教員名
志賀 啓成  天野 政紀  天野 政紀 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等 (H201)  
クラス
-
科目コード
MTH.E636
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本講義の概要は,Klein群とその変形についての基本的な理論の解説である.特に重要な概念は以下の通りである:
Klein群,擬等角写像,タイヒミュラー空間.Klein群の変形をRiemann面の擬等角変形として捉えることで,Riemann面の変形空間であるタイヒミュラー空間との関係を見ることができる.これらの理解のために,まず今後扱う双曲型Riemann面と双曲幾何について学習する.さらにこの被覆変換群となるFuchs群と,この一般化となるKlein群の性質とRiemann面との関係を見る.次にRiemann面の変形を与える擬等角写像の定義をし,Fuchs群と合わせてタイヒミュラー空間の記述を行う.最後にタイヒミュラー空間の複素構造や,Klein群を利用しての境界表現,その他タイヒミュラー空間論の応用を与える.
 本講義のねらいは,Klein群の変形に関する基礎概念と基礎理論の習得である.講義の中に登場する双曲型Riemann面やKlein群の不連続領域は,複素解析学の諸分野の中でも,双曲幾何学,複素力学系など分野に関連する.また,Klein群の変形理論と密接な関係を持つものがタイヒミュラー空間論という重要な研究分野であり,互いに多くの応用が知られている.本講義は,理論の理解の他に,テーマとしてこれら低次元の複素多様体をベースとした研究に対する見解を広めてもらうことを考えている.

到達目標

・ほとんどのRiemann面に双曲計量を導入できることと,対応する各Fuchs群の性質を理解できること.
・Klein群の定義を知り,その不連続領域とRiemann面との関係を理解できること.
・擬等角写像の二種類の定義を理解し,Riemann面の変形を表すことを理解すること.
・Klein群の変形空間とタイヒミュラー空間の関係とこれらの応用を知ること.

キーワード

双曲幾何,Riemann面,Fuchs群,Klein群,擬等角写像,タイヒミュラー空間.

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 一次分数変換 講義中に指示する
第2回 双曲幾何学 講義中に指示する
第3回 被覆の理論 講義中に指示する
第4回 普遍被覆面と一意化定理 講義中に指示する
第5回 双曲型Riemann面とFuchs群 講義中に指示する
第6回 Fuch群の性質(基本領域,双曲計量) 講義中に指示する
第7回 Fuch群の性質(清水の補題,traceと双曲的長さ) 講義中に指示する
第8回 Klein群の定義と性質 講義中に指示する
第9回 Klein群の極限集合と不連続領域 講義中に指示する
第10回 擬等角写像(幾何学的定義) 講義中に指示する
第11回 擬等角写像(解析的定義とベルトラミ方程式) 講義中に指示する
第12回 Klein群の変形空間 講義中に指示する
第13回 タイヒミュラー空間の表現 講義中に指示する
第14回 タイヒミュラー空間とKlein群 講義中に指示する
第15回 タイヒミュラー空間論の応用 講義中に指示する

教科書

使用しない

参考書、講義資料等

今吉洋一,谷口雅彦:タイヒミュラー空間論(日本評論社)

成績評価の基準及び方法

レポート課題(100%)による.

関連する科目

  • MTH.C302 : 複素解析第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

MTH.C302 : 複素解析第二 を履修していることが望ましい.

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