2016年度 数学最先端特別講義A   Special lectures on current topics in Mathematics A

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開講元
数学コース
担当教員名
内藤 聡  土岡 俊介 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等 (H201)  
クラス
-
科目コード
MTH.E631
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2016年12月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

    表現論は、対称性を研究する数学の一分野である。
この講義では、そのうちで、群の (通常) 線形表現を扱い、特に対称群の表現論を
以下の 3 つの視点から説明する。
・群や環の表現論の一般論
・対称関数の理論
・組合せ論
    対称群の表現論という具体例を通じて、以下の 3 つを理解
する事が、この講義のねらいである。
・表現論の一般論についての理解を深める。
・数学においては、一見異なる分野 (ここでは、対称群の表現論と組合せ論)
が実は密接に関係している事を見る。
・代数的組合せ論の初歩的な材料に親しみ、対称群の表現論に付随する
種々の量が実際に計算できるようになる。

到達目標

    本講義を履修する事により、以下の知識と能力を習得する。
・対称群の (通常) 既約表現が分割によってパラメトライズ
される事を理解する。
・対称群の既約表現の具体的・抽象的構成法を理解する。
・ヤング図形と、それに関する組合せ論的アルゴリズムを使う事ができる。
・対称関数とシューア関数に慣れ親しむ。
・リトルウッド・リチャードソン規則やコストカ数などの代数的組合せ論的対象に
親しみ、計算ができるようになる。
・対称群の表現論が、対称関数環の性質と密接に関係している事を理解する。

キーワード

対称群、表現論、指標、対称関数、リトルウッド・リチャードソン規則、コストカ数、
ロビンソン・シェーンステッド・クヌース対応、ヤング図形、半標準盤、
シュペヒト加群、鉤長公式、フロベニウス指標公式、マシュケの定理、プラクティック・モノイド、圏論化

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

通常の講義形式による講義を行う。
また、適宜レポートを課す。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 群の線形表現の定義と群環 講義中に指示する。
第2回 通常指標と直交性 講義中に指示する。
第3回 マシュケの定理とウェッダーバーンの定理 講義中に指示する。
第4回 誘導表現とフロベニウス相互律 講義中に指示する。
第5回 ヤング図形入門 講義中に指示する。
第6回 ヤング対称子による対称群の既約表現の構成 講義中に指示する。
第7回 ヤング加群とシュペヒト加群 講義中に指示する。
第8回 15 ゲームとプラクティック・モノイド 講義中に指示する。
第9回 ロビンソン・シェーンステッド・クヌース対応と鉤長公式 講義中に指示する。
第10回 ロビンソン・シェーンステッド・クヌース対応にまつわる対称性 講義中に指示する。
第11回 リトルウッド・リチャードソン規則とコストカ数 講義中に指示する。
第12回 無限変数対称関数環とシューア関数 講義中に指示する。
第13回 フロベニウス指標公式とピエリ公式 講義中に指示する。
第14回 オクンコフ・ヴェルシックの方法 (その 1): A 型アフィン・ヘッケ環 講義中に指示する。
第15回 オクンコフ・ヴェルシックの方法 (その 2): 分岐則と柏原クリスタル構造 講義中に指示する。

教科書

Bruce E. Sagan, The Symmetric Group, GTM 203.
William Fulton. Young Tableaux, London Mathematical Society, Student Texts 35.

参考書、講義資料等

講義資料は、講義中に配布する。

成績評価の基準及び方法

レポート課題の解答状況による。

関連する科目

  • MTH.A301 : 代数学第一
  • MTH.A302 : 代数学第二
  • MTH.A403 : 代数学特論C
  • MTH.A404 : 代数学特論D
  • MTH.E431 : 数学特別講義A

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件は特に設けないが、関連する科目を履修している事が望ましい。

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