微分方程式に関する用語や基礎的な概念について説明した後、微分方程式の解の存在と一意性、および解の性質についての基本的な定理を紹介する。本講義は、引き続き行われる「微分方程式概論第二」に続くものである。
微分方程式は数学のあらゆる分野で現れる基礎的な概念である。解の作る空間は代数的な構造を持ち、解の存在定理は様々な幾何学的、解析学的な興味深い対象物を与える。これらへの入り口となるのがこの講義である。
本講義では、常微分方程式(未知変数が1つの微分方程式)の基礎理論とその応用について学ぶ。常微分方程式は、各種の自然現象や物理法則を記述し、その解法と理論は数学的にも応用上も重要である。本講義では、微分方程式の解法について習熟するとともに、解の性質を導くための理論について理解を深めることをを目標とする。
微分方程式、初期値問題、変数分離形、完全微分方程式、基本解、Duhamel の原理
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式による。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 微分方程式の例,微分方程式の解,初期値問題と境界値問題 | 講義中に指示する |
第2回 | 初等解法,変数分離形,同次形,1階線形微分方程式 | 講義中に指示する |
第3回 | 完全微分方程式,非正規形,高階微分方程式の解法 | 講義中に指示する |
第4回 | 線形常微分方程式,行列の指数関数と定数係数常微分方程式系 | 講義中に指示する |
第5回 | 変数係数常微分方程式系と基本解 | 講義中に指示する |
第6回 | 非斉次方程式と Duhamel の原理 | 講義中に指示する |
第7回 | べき級数による解法 | 講義中に指示する |
学修効果を上げるため、教科書や配布資料等の該当箇所を参照し、「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特にない
柳田英二、栄伸一郎 著『常微分方程式論』(朝倉書店)
期末試験などにより評価する。詳細は講義中に指示する。
微分積分学第一・演習、 微分積分学第二・演習、線形代数学第一・演習、線形代数学第二・演習を履修していることが望ましい。