2022年度 函数解析   Functional Analysis

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開講元
数学系
担当教員名
小野寺 有紹 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月7-8(H116)  水3-4(H116)  
クラス
-
科目コード
MTH.C351
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2022年4月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本講義の主要なテーマは無限次元線形空間とそれらの間の線形作用素に関する基本的な概念と性質である。無限次元線形空間と線形作用素に関する基本的な概念(ノルム空間、バナッハ空間、ヒルベルト空間、有界作用素)を導入した後、有限次元の場合との違いを解説し、それらの基本的性質を学ぶ。次に、「共役」の概念を導入し、それらの無限次元における重要性を線形汎関数の表現定理、弱位相等を通して学ぶ。最後にコンパクト自己共役作用素のスペクトル理論を解説し、具体的な問題への応用を幾つかの例を通して学ぶ。
 函数解析は、無限次元空間およびそれらの間の写像(作用素)に関する代数的、幾何学的、位相的な構造を調べる総合的な分野である。本講義では、函数解析学の基本的な事柄とその応用を学ぶ。抽象的な概念や定理が、具体的な問題をエレガントに解決する様をいくつかの例を通して味わってほしい。

到達目標

次の項目を理解する.
・無限次元空間における線形構造と位相構造の重要性.
・バナッハ空間と有界線形作用素の基本的性質.
・ヒルベルト空間の幾何学的構造.
・バナッハの3大定理の重要性.
・無限次元空間における「共役」という概念の重要性.
・コンパクト作用素のスペクトル理論を通して無限次元空間におけるコンパクト性の重要性.
・具体的な問題が、抽象的な概念や定理を用いて解決されること.

キーワード

ノルム空間、バナッハ空間、ヒルベルト空間、線形作用素、バナッハの定理、共役空間、レゾルベント、スペクトル、コンパクト作用素

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

通常の講義形式による講義

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ベクトル空間,ノルム空間 講義中に指示する.
第2回 バナッハ空間,完備化、例 講義中に指示する.
第3回 線形作用素、有界線形作用、閉作用素、例 講義中に指示する.
第4回 逆作用素、ノイマン級数、例 講義中に指示する.
第5回 内積空間、ヒルベルト空間、直交射影、射影定理 講義中に指示する.
第6回 フーリエ級数、ベッセルの不等式、完全正規直交系、パーセバルの関係 講義中に指示する.
第7回 開写像定理、閉グラフ定理 講義中に指示する.
第8回 一様有界性原理、例 講義中に指示する.
第9回 双対空間、共役空間、弱位相、弱収束 講義中に指示する.
第10回 共役作用素,自己共役、Hilbert-Schmidt 型積分作用素 講義中に指示する.
第11回 ハーン・バナッハの定理、位相的補空間 講義中に指示する.
第12回 コンパクト作用素、アスコリ-アルツェラの定理、例 講義中に指示する.
第13回 スペクトル、レゾルベント 講義中に指示する.
第14回 リースの理論,交代定理 講義中に指示する.

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

なし

参考書、講義資料等

「関数解析」増田久弥,裳華房
「関数解析」黒田成俊,共立出版

成績評価の基準及び方法

レポート課題および期末試験などにより,総合的に評価する。詳細は講義中に指示する.

関連する科目

  • MTH.C305 : 実解析第一
  • MTH.C306 : 実解析第二
  • MTH.C211 : 応用解析序論第一
  • MTH.C212 : 応用解析序論第二
  • ZUA.C306 : 解析学演習C第一

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

実解析第一、実解析第二、解析学演習C第一を履修済みであることが望ましい。

その他

特になし

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