本講義の主要なテーマは位相空間論である。まず集合上の位相を、開集合系、閉集合系、近傍系を使って定義し、位相空間の写像の連続性を学ぶ。次に距離位相、相対位相、商位相、直積位相などの標準的な位相を解説する。最後に、ハウスドルフ性などのいわゆる分離公理を学ぶ。本講義は、第4Qで行われる「位相空間論第四」に続くものである。
位相の概念は写像の連続性を記述するために必要な概念であり、幾何学はもちろんのこと、代数学および解析学でも頻繁に現れ、いずれの数学を学ぶ上でも必須の概念である。
・位相のさまざまな記述方法を理解すること
・位相と写像の連続性の関係を理解すること
・さまざまな設定の下で自然に定まる位相について理解すること
・分離公理を満たさない空間の基本的な例を理解すること
位相と位相空間、近傍系、第一可算公理、第二可算公理、連続写像、誘導位相、分離公理
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 位相と位相空間 | 講義中に指示する |
第2回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第3回 | 開集合系の基と近傍系、第二可算公理 | 講義中に指示する |
第4回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第5回 | 基本近傍系、第一可算公理 | 講義中に指示する |
第6回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第7回 | 連続写像、同相写像 | 講義中に指示する |
第8回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第9回 | 相対位相、直積位相 | 講義中に指示する |
第10回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第11回 | 商位相、写像による誘導位相 | 講義中に指示する |
第12回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第13回 | ハウスドルフ空間、正則空間 | 講義中に指示する |
第14回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
「集合と位相」内田伏一著 裳華房 (1986年)
「集合と位相」斎藤毅著 東京大学出版会 (2009年)
「集合・位相入門」松坂和夫著 岩波書店 (1968年)
「集合と位相空間」森田茂之著 朝倉書店 (2002年)
期末試験(およそ70%) および問題演習における解答状況(およそ30%)
位相空間論第一および位相空間論第二を履修済みであることが望ましい。
微分積分学第一・演習、微分積分学第二、同演習、線形代数学第一・演習、線形代数学第二、同演習を履修済みであることが望ましい。