本科目は、博士課程学生を対象として、優れた英語科学論文の書き方を身に付けることを目的とする。講師は研究機関や製薬業界において研究ならびに論文・特許執筆の経験が豊富な英語のネイティブスピーカーである。本科目では、作文技法を学び、その技法を実際の執筆に適用する能力を養う。さらに、博士として国際的に評価される優れた論文を書く能力を身につけるよう、実地に即して丁寧に指導する。授業は少人数制であり、チャレンジングだがリラックスした雰囲気で行われる。個人授業に近い環境で、学生1人1人に対して多くの関心を払い、サポートを与える。
博士にふさわしい論文を書く資質を身につけているかを、ライティング実技により評価する。
本科目を履修することによって次の能力を修得する。
1)核となるアイディアを用いた説明文によって、詳細な主張を展開することができる。
2)論理の鎖をもった文章により、対比的あるいは対照的なアイディアを説明することができる。
3)一貫性と論理性をもったパラグラフを書くことができる。
4)連続的によどみなく流れる文章を書くことができる。
5)出典を記し、表現を調整し、校閲により文章を修正することができる。
説明的文章、アカデミックライティング
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各回の冒頭で、前回の授業で課した課題への解決法を復習する。毎回、授業時間中に解くべき演習問題が課される。授業への準備として、授業で取り上げられるトピックについて教科書をあらかじめ読んでおくことが求められる。さらに、授業の時間外に解くべき作文課題が課される場合がある。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | グローバルライティングへの導入 | 目録の執筆。即興の作文。 |
第2回 | 聴衆、目的と戦略、構成 | アカデミックライティングの特徴。知識を持ち、有能で信頼できるライターとしての位置づけ。 |
第3回 | スタイル | スピーチの構成要素。語彙。 |
第4回 | 流れ、プレゼンテーション | 単語やフレーズの接続。 |
第5回 | 一般から個別への流れ | アイディアを正しく並べる。短い定義と長い定義を書く。 |
第6回 | 課題、プロセス、解決 | 手順。プロセス。因果関係。 |
第7回 | データに対するコメント | 学術的な主張の形成に役立つ課題解決型の文章。プロセス記述型の説明。 |
第8回 | 前半の内容の復習と中間試験 | 前半の内容が後半の内容とどのように関連しているか。 |
第9回 | 要旨の執筆 | 剽窃。言い換え。要約のフレーズ。類似性と差異。 |
第10回 | 批評の執筆 | 意見の表明。評価の表現。批評。 倒置。 |
第11回 | 研究論文の構築I | 論文の種類。方法のセクションでフレーズを繋ぐ。 |
第12回 | 研究論文の構築I | 立場の表明。特殊な動詞の一致。比較表現。 |
第13回 | 研究論文の構築II | 引用と時制。目的の表明。 |
第14回 | 研究論文の構築II | ディスカッションのセクション。一般化のレベル。制限の表現。 |
第15回 | 最終試験 | 学生の作文技法と、全課程からの材料に基づき評価する。 |
Academic Writing for International Students of Science (Jane Bottomley, Routledge) ISBN: 978-0-415-83241-0 (paperback)
The Elements of Technical Writing (Gary Blake and Robert W. Bly, Longman); The Craft of Scientific Writing (Michael Alley, Springer)
作文技法に関する知識と、それらを実際の執筆に適用する能力に基づいて評価する。中間試験と最終試験60%、演習問題40%。
・情報生命博士教育院の異文化コミュニケーション科目の履修は原則的に1学期に1科目までしか認められない。
・情報生命博士教育課程参加学生以外の履修は認められない。