2015年9月に国連にて,2030年までの国際社会としての到達目標が,SDGs(Sustainable Development Goals,持続可能開発目標)として決議された。これまで十分達成できていなかった人類が抱える種々の課題や新たに顕在化した課題に対し,持続可能な発展という観点から17ゴール・169ターゲットからなる開発目標が設定されたものである。また,日本政府は「Society 5.0」という未来像を設定し,AIやIoT,ロボット,ビッグデータなどの革新技術をあらゆる産業や社会に取り入れることにより,狩猟社会(Society 1.0),農耕社会(Society 2.0),工業社会(Society 3.0),情報社会(Society 4.0)に続く,人類社会発展の歴史における5番目の新しい社会を作ろうと呼びかけている。
ToTAL「社会課題の認知」科目では,SDGsをはじめ,学術,事業,政治,技術,芸術などの分野を問わず,広く現在社会で起こっている課題を認識することが,特定の「正解」がないその解決策を主導的に導くための能力養成を主眼とするToTAL「リーダーシップ・フォロワーシップおよび合意形成」科目の礎となると考える。
社会課題の認知ワークショップ IIでは,マクロ的視野からアプローチする方法論,また10-15年後の未来社会デザインを行う方法論等,解決案提示,合意形成,発案等の手法の引き出し拡大を図るとともに,多様な学生との交流を通し,ネットーワーク形成も図る。
社会課題を,歴史,社会情勢,技術トレンド等の流れの中で捉え,多様な社会の中での合意形成方法論のうち,マクロ的手法,バッックキャスティング,強制発想などの手法を経験し,自ら活用する引き出しの一つとする。
課題設定、合意形成、多様性、ネットワーク、価値創造
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
1グループ4-6名からなるグループで,議論を進め,解決策を導くワークショップ形式ですすめる。ワークショップは,経済産業省のファシリテーションによる政策立案ワークショップと,日本総研のファシリテーションによる未来洞察ワークショップを,短期集中で行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | (1) 他大学生と行う経済政策立案シミュレーション・ワークショップ(4時間集中) a) 目的:本邦企業活性化を最終目的とする政策を,経済産業省現役職員のファシリテーションにて,過去の政策例をモデルに,新たな政策を策定する。当該政策に関わるステークホルダーの興味を尊重しながら,win-winにつながる政策を立案する。経済産業省と連携し,同省経由,他大学学生の参加を通し,多様な意見の集約,および,ネットワーキングにも資する。 b) 参加予想人数:約40名(うち,本学学生が約50%) c) ワークショップテーマ:オンサイトで提示する。 d) ファシリテーター:経済産業省 (2) 3日間集中 未来洞察ワークショップ: a) 目的:現在の社会課題に関する情報から選んだ未来の兆し(スキャニング手法)と,テーマに関するありうる社会変革から,強制的に未来の機械領域を発想する(強制発想),の手法により,10-15年後の未来のデザインを行う。的確な課題設定とその論理性,新規発想の理由付けを重視。 b) 参加予想人数:15-20名程度 c) ワークショップテーマ:オンサイトで提示する d) 株式会社日本綜合研究所 未来デザイン・ラボ | オンサイトで提示する |
なし
なし
1. 出席とワークショップ中の発案,合意形成への積極的な貢献(50%)
2. 各ワークショップ最終日に行うグループ討議の結果発表評価(50%)
なし
リーダーシッップ教育院(ToTAL) 特任教授 山田圭介
yamada.k.be[at]m.titech.ac.jp