科学技術についての知識の幅と量に差がある者同士のコミュニケーションであるところの科学技術コミュニケーションは、誰がいつ、どのような状態で必要とするのか。また知識の差をこえて科学技術が関連する社会的な問題について集団で意思決定をするには何が必要なのか。これらの問題を「教育」という観点からリスクコミュニケーション、リテラシーの問題も踏まえて考察する。あわせて大田区教育委員会の協力をえて、これらの問題をふまえた年少者に対する理科教育のありかたについてワークショップ形式で検討する。
年少者に対する理科教育と成人に対する科学技術リテラシーの教育が一連の生涯教育として行われるためには、科学的思考のひとつである量の概念や確率の概念を生活や社会の問題にも適用してどのように考えたらいいのかについての見極めを持つことが必要である。本講義では「リスク」という観点から事例に基づいた検討を行い、年少者教育においてどのようにリスクの問題を扱ったらよいのかについての方法論を案出し、かつ、その方法論の生涯教育への応用も併せて考える。
リスクの社会的受忍レベルの設定、科学技術コミュニケーションと生涯教育ーリスク事象を例に、理解教育における定量的な考え方の導入とあるべき工夫、定量的分析を身近なリスク事象で体験するには?-ワークショップという一連の講義と演習で授業を構成する。
『コミュニケーションデザイン』西條美紀 くろしお出版
特になし
講義ごとの課題、ワークショップへの参加度、成果物などを総合的に評価
一昨年までの本授業の内容を更新して今年度からリニューアルオープンした科目です。理科教育、科学技術コミュニケーション、リテラシー、生涯教育などはば広い興味を持つ人に参加してほしいです。