古典ギリシア語を学ぶ。古代ギリシア文明は、その後のヨーロッパ文明の源流として、人文学、社会科学、自然科学などのあらゆる分野に、大きな影響を与えた。古典ギリシア語で書かれた書物は、ホメロスの叙事詩、ソフォクレスなどの悲劇、ヘロドトスなどの歴史書、プラトン、アリストテレスなどの哲学書、ユークリッドの数学書など、多岐にわたる。本講義では、主として紀元前6−4世紀ころにアテーナイを中心とするアッティカ地方で用いられていたギリシア語(Attic Greek)を学ぶが、紀元前8世紀のホメロスの言語や、新約聖書が書かれたヘレニズム時代のギリシア語(Koine Greek)も大きな相違はない。したがって、本講義のギリシア語文法を学ぶことにより、新約聖書等も読むことができるようになる。また、近現代の造語も、ギリシア語やラテン語から作られることが多いので、この分野の理解を深めることもできる。たとえばNASAによる火星探索機「オデッセイ」は、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』(英名Odyssey)から命名された。なぜこの言葉が火星探索機の名前として選ばれたのか、その理由は西欧の科学者であれば常識として理解されたであろう。古典ギリシア語を学ぶことにより、西欧文明の根幹にある知識と教養の一端にふれたい。
古典ギリシア語の初級文法を習得する。名詞の格変化、動詞の活用変化など、基本的な文法事項を反復練習などにより学ぶ。教科書の練習問題(ギリシア語文の和訳)には、古典時代の原典から取られたものも含まれているので、それらの文章をとおして、ギリシア精神の特質などについても学びたい。
教科書に沿って、動詞の活用変化から学び始める。1回の授業で2課ずつ進む。
・ 教科書
田中美知太郎・松平千秋著、『ギリシア語入門』新装版、岩波書店
・参考書等
特になし。
通年で開講される科目なので、後期のギリシア語第二を続けて履修することが望ましい。
平常点と試験
連絡先:世界文明センター(内線3892)