身の回りの仏教を見ていると、迷信じみたものにしか思えないし、仏教は葬式のために存在している――としか思えない状況がわが国には確かにある。果たして仏教はそんなものだったのか? 仏教の原形はどのようなもので、それが中国、日本へと伝わる中でどのように誤解に誤解を重ねて今日に至るのか、その経過をたどってみたい。それと同時に、仏教という異なる文化の受容の仕方を見ることによって、インド、中国、日本のそれぞれの国民性も比較してみたい。
最高学府を出た人でさえ、いまだに宗教的迷信にとらわれている人がいる。たたりや、宗教的権威をかたった詐欺も横行している。釈尊が徹底して迷信やドグマを排除していたことはほとんど知られていない。仏教について「眼からウロコ」の体験をしていただき、仏教/宗教を見る眼を身につける機会にしていただければ幸いである。
1『仏教、本当の教え』第一章 インド仏教の基本思想
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3『仏教、本当の教え』第二章 中国での漢訳と仏教受容
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5『仏教、本当の教え』第三章 漢訳仏典を通しての日本の仏教受容
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7『仏教、本当の教え』第四章 日中印の比較文化
『仏教、本当の教え――インド、中国、日本の理解と誤解』(中公新書)
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