海外企業の研究体制概論I   R&D Starategy & Structure of MultiNational Corporation

文字サイズ 

担当教員
岡田 常義  島谷 克義  亀山 正俊  中村 幸紀  村田 耕 
使用教室
集中講義等 (W332 ほか)  
単位数
講義:1  演習:0  実験:0
講義コード
99308
シラバス更新日
2011年10月3日
講義資料更新日
2011年9月20日
学期
後期

講義概要

 本講義においては欧米系企業研究開発部門あるいは日系企業の海外研究開発拠点で実務経験を有する講師が自己の実体験をベースとして、日・米・欧企業もしくはそれぞれの地域の特殊性などについて、実際の行動様式、その背景にある考え方、価値観などについてオムニバス形式で話します。
産業分野も、電機・電子、情報機器、自動車(部品を含む)、化学、製薬、通信等幅広い分野をカバーしています。
話の内容は「理論」でなく実務を通した「実感」が主体となりますので、各人各様の異なった「理解」が出てくるのも興味深いところです。
講義は少人数の利点を生かして、できるだけ「双方向」で進めます。具体的には受講生からの講義中の活発な質問を促し、また講師先生からの頻繁な問いかけで、講義を進めます。

講義の目的

世界経済が不況に見舞われている現在の環境下でも、1990年ころから急速に進んだグローバリゼーションの動きが止まることはあり得ません。当然我が国もこの環境変化に対応していく必要性があります。すでに多くの日系企業が海外に生産・販売拠点のみならず研究開発体制を逐次構築していますし、有力海外企業も同様に日本での活動を強化しています。これからの時代を担う学生は、海外企業に将来を託そうとする方は無論のこと日系企業に就職希望の方でも彼我の特質、日欧米の企業文化の差異を理解して社会に出ることが極めて重要です。
そこでこのコースでは海外企業での研究開発に携われた経験をお持ちの方に、実体験をベースに彼我の思考方法、研究開発の進め方についてお話いただき、皆さんが世界で活躍するために地域、産業などにより違いがあることの理解を深め、それへの対応力を醸成する際の一助にすることを目的としています。なお日本企業の海外研究開発拠点で運営に当たられた方々から、運営上の苦労、カルチュアの違いをどう乗り越えたのか、についての話もあります。

講義計画

毎回各担当講師がそれぞれ工夫して話しますのでウエイトの置き方は変わりますが、以下の構成を基本とします。

【講義日程】全5回
10月8日(土) 13:30~15:30 大岡山 西3号館W332
11月12日(土) 13:30~15:30 すずかけJ232講義室
12月3日(土) 13:30~15:30 大岡山 西3号館W332
1月7日(土)13:30~15:30 すずかけJ232講義室
1月28日(土) 13:30~16:00 大岡山 西3号館W332

【担当講師】
●村田 耕(アジレント・テクノロジー・インターナショナル 製品開発部長)
●島谷 克義(ファイザーヘルスリサーチ振興財団 理事長)
●中村 幸紀(ボッシュ 技術参与)
●亀山 正俊(三菱電機 人材開発センター センター長)
●岡田 常義(ポリプラスチックス 参与)

【講義内容】(予定)
外資系企業の開発プロセス(村田耕先生)
グローバル医薬品企業における研究開発のプロセスと組織(島谷克義先生)
自動車産業と自動車部品産業(中村幸紀先生)
実感的海外企業R&D運営論(亀山正俊先生)
プラスチックス産業とエンジニアリングプラスチックス(岡田常義先生)

教科書・参考書等

*

関連科目・履修の条件等

*

成績評価

出席点に比重を置き、レポートおよび講義中の質問・質問への回答などを加味

担当教員の一言

 一般的に欧米のPhDと比較すると、日本の大学博士課程卒業生の見劣りする点はリベラルアーツに裏打ちされた信念の欠如です。よく「T型」人間ではなく「Π型」人間を目指せといわれますが、グローバル社会でプレゼンスを示すには「Π型」では不足であり、進化形である「亦型」人間を目指す必要があると考えます。「亦型」は「Π型」の安定度を増すために両側から2本の支い棒を地中に埋め、複数の専門知識をしっかり保持する状況を表します。こうすれば地上に出ている「頭」は揺るぎないものになり、突発事態にも的確な判断ができるようになります。この支い棒の役目を果たすのがリベラルアーツでしょう。コースの履修を通じて受講生にリベラルアーツの重要性を喚起できればと考えています。

このページのトップへ