海外企業の研究体制概論I   R&D Starategy & Structure of MultiNational Corporation

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担当教員
岡田 常義  島谷 克義  亀山 正俊  中村 幸紀 
使用教室
集中講義等 (W332 ほか)  
単位数
講義:1  演習:0  実験:0
講義コード
99308
シラバス更新日
2011年4月6日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期

講義概要

 本講義においては欧米系企業研究開発部門あるいは日系企業の海外研究開発拠点で実務経験を有する講師が自己の実体験をベースとして、日・米・欧企業もしくはそれぞれの地域の特殊性などについて、実際の行動様式、その背景にある考え方、価値観などについてオムニバス形式で話します。
産業分野も、電機・電子、情報機器、自動車(部品を含む)、化学、製薬、通信等幅広い分野をカバーしています。
話の内容は「理論」でなく実務を通した「実感」が主体となりますので、各人各様の異なった「理解」が出てくるのも興味深いところです。
講義は少人数の利点を生かして、できるだけ「双方向」で進めます。具体的には受講生からの講義中の活発な質問を促し、また講師先生からの頻繁な問いかけで、講義を進めます。

講義の目的

 世界経済が不況に見舞われている現在の環境下でも、1990年ころから急速に進んだグローバリゼーションの動きが止まることはあり得ません。当然我が国もこの環境変化に対応していく必要性があります。すでに多くの日系企業が海外に生産・販売拠点のみならず研究開発体制を逐次構築していますし、有力海外企業も同様に日本での活動を強化しています。これからの時代を担う学生は、海外企業に将来を託そうとする方は無論のこと日系企業に就職希望の方でも彼我の特質、日欧米の企業文化の差異を理解して社会に出ることが極めて重要です。
 そこでこのコースでは海外企業での研究開発に携われた経験をお持ちの方に、実体験をベースに彼我の思考方法、研究開発の進め方についてお話いただき、皆さんが世界で活躍するために地域、産業などにより違いがあることの理解を深め、それへの対応力を醸成する際の一助にすることを目的としています。なお日本企業の海外研究開発拠点で運営に当たられた方々から、運営上の苦労、カルチュアの違いをどう乗り越えたのか、についての話もあります。

講義計画

 毎回各担当講師がそれぞれ工夫して話しますのでウエイトの置き方は変わりますが、以下の構成を基本とします。

-当該産業の紹介
・担当講師の所属企業(過去の所属を含む)の簡単な紹介
・当該産業における研究開発業務の内容と特徴
・当該産業の今後の展開
・当該産業で必要とされる人材

-当該産業における海外企業と国内企業
・研究開発活動および体制における海外企業および国内企業の特徴
・海外企業に就職する際の留意点
・海外企業でのインターンシップ、就職

-グローバル時代に活躍する研究者
・グローバル企業で活躍できる人材とは?
・博士課程で習得しておくのが望ましい知識

-今期の予定(未確定分を含む)
・電機・電子産業
・自動車(含む部品)産業
・情報機器産業
・製薬産業
・化学産業

教科書・参考書等

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関連科目・履修の条件等

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成績評価

 出席点に比重を置き、レポートおよび講義中の質問・質問への回答などを加味

担当教員の一言

 一般的に欧米のPhDと比較すると、日本の大学博士課程卒業生の見劣りする点はリベラルアーツに裏打ちされた信念の欠如です。よく「T型」人間ではなく「Π型」人間を目指せといわれますが、グローバル社会でプレゼンスを示すには「Π型」では不足であり、進化形である「亦型」人間を目指す必要があると考えます。「亦型」は「Π型」の安定度を増すために両側から2本の支い棒を地中に埋め、複数の専門知識をしっかり保持する状況を表します。こうすれば地上に出ている「頭」は揺るぎないものになり、突発事態にも的確な判断ができるようになります。この支い棒の役目を果たすのがリベラルアーツでしょう。コースの履修を通じて受講生にリベラルアーツの重要性を喚起できればと考えています。

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