ディジタル人文工学は、従来文系的手法で行われてきた人文学に対して、近年発達してきたディジタル化技術を活用し、文系的知見と理系的技術の融合を図る新しい学問領域である。文化資産をいかにアーカイブ化するかという問題から始まり、多言語・多分野に及ぶデータ記述に適切なフォーマット、大規模データと計算機資源を活用した計量的な意味分析の試みなどを扱っていく。具体的対象としては文学、音楽、思想・宗教などの領域を取り挙げ、ディジタル人文工学の活用による新たな人文学の地平を提示する。
様々なデジタル技術を用いて人文学的な領域をどのように分析できるのかを学ぶ中で、人文学についての理解を深めるとともに科学的な方法論の可能性、将来的な学問の姿についても考えていく。
1:イントロダクション 2:人文学をデジタル化する 3:デジタルデータとアナログデータ 4:テキストの計量 5:デジタルデータとXML 6:オントロジー 7:記号を計る1 8:記号を計る2 9:計量文体学 10:計量音楽論 11:計量書誌学 12:計量批評学 13:計量物語論 14:地理情報システム 15:デジタルヒューマニティーズの展望
(変更の可能性あり)
参考書:『量から質に迫る 人間の複雑な感性をいかに「計る」か』(新曜社)
特になし
授業への参加と二回のレポートの点の合計での採点を予定