イノベーションと標準化   Innovation and Standardization

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担当教員
田辺 孝二  加藤 恒  原田 節雄  大橋 守  浜田 恵美子  今井 茂雄  中村 嘉秀  足立 憲昭  田中 正躬  長野 寿一 
使用教室
土9-10(CIC913)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
36041
シラバス更新日
2015年9月17日
講義資料更新日
2015年9月17日
アクセス指標
学期
後期

講義概要

 新技術の事業化・市場化というイノベーションプロセスのなかで、戦略的ツールとして重要な役割を果たす標準化について講義します。標準化の基本概念、企業戦略として標準化への取り組み方、イノベーションと標準化の関係、標準と知的財産権の関係、企業・社会と認証制度等について、第一線の専門家を講師に招き、講義をしていただきます。

 今年度は、特に社会的課題解決のための標準化・認証について重点を置き、新たな標準・認証の仕組みの検討・発表を組込んでいます。
 第1回授業(10/3)は16:50-18:20、第2回目以降は16:30-18:00の授業時間です。

講義の目的

 新技術の市場化というイノベーションプロセスのなかで、戦略的ツールとして重要な役割を果たす標準化について学ぶ。
 標準化の基本概念、ビジネスにおける標準化の重要性、イノベーションと標準化の関係、標準と知的財産権の関係、グローバルビジネスと認証制度の関係について理解するとともに、様々な事例を基に、標準化をイノベーションのための戦略的ツールとしてどのように用いるかについて習得する。

講義計画

・10/3 標準化とイノベーションの関係  田辺孝二 
     本講義のねらい、標準化とイノベーションの関係について説明する。 

(10/10 授業はありません。)

・10/17 国際標準化の意義 和泉章氏(製品評価技術基盤機構(NITE) 企画管理部長)
標準と認証の意義と基本知識について解説する。

・10/24 ビジネス戦略と標準化:「企業戦略としての標準化」 
      江藤学氏(一橋大学特任教授)
 標準化を利益につなげるための標準化戦略について、事例を基に解説する。

・10/31 ビジネス戦略と標準化:「国際ビジネスで勝つための標準化」 
      原田節雄氏(桜美林大学特任教授)
     ソニー、IEC等での経験を基に、国際ビジネスにおける標準化の重要性、国際標準化
     のタイプと効用等について解説する。

・11/7 ビジネス戦略と標準化: なぜ標準化が重要か(討議) 

・11/14 イノベーションと標準化 「鉄鋼業の標準化戦略」 
       大橋 守氏(日本鉄鋼連盟標準化センター事務局長)
    鉄鋼業における品質・試験方法などの標準化を事例に、業界としての標準化戦略、
    標準化専門家としての活動のあり方について概説する。  
 
・11/21 イノベーションと標準化:  「CD-Rの開発・事業化と標準化」
     浜田恵美子氏(名古屋工業大学教授、元太陽誘電技術部長)
日本発のイノベーションであるCD-Rの事業化における標準化を紹介し、新規事業に
おける標準化戦略のあり方を考える。

・11/28 イノベーションと標準化: 「日本発の抗菌検査方法の標準化」 
     今井茂雄氏(LIXIL R&D本部 主幹、一般社団法人 抗菌製品技術協議会(SIAA)会長) 
日本独自の抗菌コンセプトを国際標準化として実現したケースを紹介し、新たな
コンセプトに関する標準化戦略のあり方について学ぶ。     
              
・12/5 企業と認証制度:「企業のリスクマネジメントと認証制度」  
     足立憲昭氏(イオンエンターテイメント常勤監査役)
   企業における品質管理、環境管理における認証制度の活用について紹介し、企業経営と
認証制度の関係について学ぶ。 

・12/12 社会と認証制度: 「社会インフラの国際標準化・認証」 
      田中正躬氏(日本規格協会、元ISO会長)
    社会システムに関する国際標準化の意義、国際標準化・認証の戦略的な取り組みについて学ぶ。 

・12/19 発表・討議 「新たな標準・認証制度の提案」

・1/9 標準化と知的財産:「標準化と特許」
     長野寿一氏(経済産業省国際標準化戦略分析官)  
     標準と特許の重なる部分の解説、標準必須特許に関するルールの現状と課題等
    について紹介する。

・1/16 標準化と知的財産権: 「デジタル時代の知的財産問題」
     中村嘉秀氏(アルダージ代表取締役社長)
   デジタル時代の知的財産のあり方、パテントプールの運営と課題について考える。 

・1/23 標準化と知的財産権: 「企業における知財戦略と標準化戦略の融合」
     加藤 恒氏(三菱電機知的財産渉外部長)
   技術の高度化・複雑化が進む中で、緊密化・複雑化する標準化、知的財産、独占禁止の
   関係を概説し、企業における知財戦略と標準化戦略のあり方について検討する。 

・1/30 標準化戦略のまとめ 田辺孝二
    イノベーションのためのツールとしての標準化戦略について総括する。

教科書・参考書等

授業時に配布する。授業の1週間前にPDF資料を送付する。

関連科目・履修の条件等

特になし。

成績評価

授業への貢献(40%)、レポート(30%)、出席状況(30%)により評価。

担当教員の一言

 企業戦略としての標準化を、各分野の第一人者から総合的・実践的に学ぶ授業です。
 イノベーション、知的財産、企業戦略に関心のある方にお勧めします。 

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