知的財産がビジネスの強化・成長に貢献するためには、知的財産活動が企業経営に近い存在であり、知的財産活動が経営戦略の遂行に積極的に参画したものでなければならない。専門知識のみに特化した知的財産活動に留まらず、企業経営の目標及びその達成に必要な経営指標を共有すること、すなわち、知的財産活動と企業経営のドッキングが必要である。その手法として、ある企業事例について、設定された経営目標を知的財産活動に落とし込んでいくためのグループディスカッションを行い、知的財産活動を企業経営に結びつける訓練を行う。さらに、経営戦略策定手法を学び、この手法を用いた知財戦略策定のケーススタディーを行う。
企業内における知的財産活動を企業経営に結び付けることを実践的に学ぶこと。
1. イントロダクション、知的財産戦略のビジネス側面
2. 知的財産権制度の機能と役割
3. 基本特許と改良特許
4. 企業における知的財産活動の例
5. 企業経営の基礎知識(経営学と企業制度)
6. 企業経営の基礎知識(経営戦略)
7. 企業経営の基礎知識(マーケティング)
8. 企業経営の基礎知識(財務分析)
9. 企業経営の基礎知識(事業計画)
10. ブレーンストーミングとKJ法 MindMap
11. 経営戦略策定手法
12. 企業事例
13. 企業事例
14. ビジネス知財ゲーム
15. グループ発表
(参考書)
Integrated Intellectual Asset Management (Steve Manton, Gower)
Essentials of Intellectual Property (Poltorak & Lerner, JOHN WILEY & SONS)
企業経営に連携する知的財産部門の構築(田中他、発明協会)
特に、履修の条件とはしないが、できれば、知的財産権制度の基礎的な学習を事前にしておくことが好ましい。
出席(全体の80%の出席が必要)、グループディスカッションへの参加度、レポート(小レポートおよび最終レポート) 、グループ発表
企業に就職すると、将来、必ずと言ってよいほど、知的財産の問題に直面する。知的財産の専門家として、また、企業経営、研究開発、マーケティングなど、様々な職種に携わる方々が、経営と知的財産活動の関係を理解しておくことが必要になるでしょう。皆さんの積極的な取り組みを期待しています。
tanaka.y.al@m.titech.ac.jp