企業経営における知的財産活動   Corporate Management & Intellectual Property Activities

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担当教員
田中 義敏 
使用教室
金11-12(CIC711)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
36016
シラバス更新日
2014年9月30日
講義資料更新日
2014年9月18日
学期
後期

講義概要

知的財産がビジネスの強化・成長に貢献するためには、知的財産活動が企業経営に近い存在であり、知的財産活動が経営戦略の遂行に積極的に参画したものでなければならない。専門知識のみに特化した知的財産活動に留まらず、企業経営の目標及びその達成に必要な経営指標を共有すること、すなわち、知的財産活動と企業経営のドッキングが必要である。その手法として、ある企業事例について、設定された経営目標を知的財産活動に落とし込んでいくためのグループディスカッションを行い、知的財産活動を企業経営に結びつける訓練を行う。さらに、経営戦略策定手法を学び、この手法を用いた知財戦略策定のケーススタディーを行う。

講義の目的

企業内における知的財産活動を企業経営に結び付けることを実践的に学ぶこと。

講義計画

1. イントロダクション、知的財産戦略のビジネス側面
知的財産の創造、保護、活用が叫ばれる中、知的財産活動が企業経営にどのように貢献しているかを理解することが重要。社会的背景から解説するとともに、講義の流れを説明。
2. 知的財産権制度の機能と役割
知的財産を始めて勉強する者に対し、知的財産制度の基礎を解説。
3. 企業経営の基礎知識
経営のファンダメンタルの理解。経営概念、経営戦略、マーケティング等につき解説。
4. 企業経営の指標から知的財産活動を見る
知的財産部門内での議論から離れ、企業経営全体の視点から知的財産活動を眺めてみる。
5. 知的財産活動41項目
知的財産活動を、出願から権利化、ライセンス、権利侵害等にとどまらず、企業経営にかかわる知的財産活動を総合的に把握する。
6. 知財戦略メニュー
19項目の知財戦略について解説。
7. グループディスカッションの課題説明およびグループディスカッション
企業経営と知的財産活動をドッキングする事例に関して、 ケースの状況設定、経営課題の説明、議論の進め方などについて解説。グループディスカッション。
8. 事例に関するグループディスカッション
グループごとのディスカッションの議論を深める。
9. グループ発表(1)
各グループ発表について討論を進め、他グループと知識を共有する。
10. グループ発表(2)
各グループ発表について討論を進め、他グループと知識を共有する。
11. 経営戦略策定手法
経営戦略策定手法について解説。
12. 知財戦略策定
特定の企業を選定し、知財戦略策定の演習。
13. 企業事例
14. 企業事例
15. 企業経営における知的財産活動のまとめ
講義全体の流れをレビューすることにより、習得事項の体系化を図る。

教科書・参考書等

(参考書)
Integrated Intellectual Asset Management (Steve Manton, Gower)
Essentials of Intellectual Property (Poltorak & Lerner, JOHN WILEY & SONS)
企業経営に連携する知的財産部門の構築(田中他、発明協会)

関連科目・履修の条件等

特に、履修の条件とはしないが、できれば、知的財産権制度の基礎的な学習を事前にしておくことが好ましい。

成績評価

出席(全体の80%の出席が必要)、グループディスカッションへの参加度、レポート(小レポートおよび最終レポート) 、グループ発表

担当教員の一言

企業に就職すると、将来、必ずと言ってよいほど、知的財産の問題に直面する。知的財産の専門家として、また、企業経営、研究開発、マーケティングなど、様々な職種に携わる方々が、経営と知的財産活動の関係を理解しておくことが必要になるでしょう。皆さんの積極的な取り組みを期待しています。

連絡先(メール、電話番号)

tanaka.y.al@m.titech.ac.jp

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