イノベーションと標準化   Innovation and Standardization

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担当教員
田辺 孝二  加藤 恒  原田 節雄  大橋 守  浜田 恵美子  今井 茂雄  中村 嘉秀  足立 憲昭  田中 正躬  和泉 章  長野 寿一 
使用教室
月9-10(CIC707 J2-1601)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
36041
シラバス更新日
2013年10月1日
講義資料更新日
2013年9月20日
学期
後期

講義概要

 新技術の事業化・市場化というイノベーションプロセスのなかで,戦略的ツールとして重要な役割を果たす標準化について講義します。標準化の基本概念,企業戦略として標準化への取り組み方,標準と知的財産権の関係,グローバルビジネスと認証制度の関係等について、第一線の専門家を講師に招き、講義をしていただきます。

 本講義は遠隔講義を実施しますので、田町キャンパスCIC707教室とともに、すずかけ台キャンパスJ2-1601教室で受講できます。

講義の目的

 新技術の市場化というイノベーションプロセスのなかで、戦略的ツールとして重要な役割を果たす標準化について学ぶ。
 標準化の基本概念、ビジネスにおける標準化の重要性、標準と知的財産権の関係、グローバルビジネスと認証制度の関係について理解するとともに、ケーススタディを基に、標準化をイノベーションのための戦略的ツールとしてどのように用いるかについて習得する。

講義計画

・10/7 オリエンテーション  田辺孝二 本講義のねらい、進めについて説明する。 
国際標準化の意義   和泉章氏(経済産業省認証課長) 標準と認証の意義と基本について解説する。

(10/14 祝日)
・10/21 ビジネス戦略と標準化 江藤学氏(一橋大学特任教授)
     デファクト標準とデジュール標準、標準化の効用、標準化のメリットとデメリット等を解説する。

・10/28 ビジネス戦略と標準化 江藤学氏(一橋大学特任教授)
     標準化を利益につなげるための戦略について、事例を基に解説する。
 
(11/3 休日)
・11/6 標準化の意義 大橋 守氏(日本鉄鋼連盟標準化センター事務局長)
   鉄鋼業における品質・試験方法などの標準化を事例に、業界としての標準化戦略、
   標準化専門家としての活動のあり方について概説する。

・11/11 標準化の意義  原田節雄氏(日本規格協会、元ソニー)
  国際ビジネスで勝つための標準化とは何か、国際標準化活動への企業の戦略について概説する。

・11/18 イノベーションと標準化 田辺孝二 
    ゲスト講師 下東勝博氏(前半導体理工学研究センター社長)産学共同研究成果の国際標準化
          粟野晴夫氏(杉村萬国特許事務所先端科学部長、元ソニー) 
              
・11/25 イノベーションと標準化 今井茂雄氏(LIXILグローバル環境インフラ研究室課長) 
「日本発の抗菌検査方法の標準化」
日本独自の抗菌コンセプトを国際標準化として実現したケースを紹介し、新たなコンセプトに
  関する標準化戦略のあり方について学ぶ。

・12/2  イノベーションと標準化 浜田恵美子氏(名古屋工業大学教授、元太陽誘電技術部長)
「CD-Rの開発・事業化と標準化」
日本発のイノベーションであるCD-Rの事業化における標準化を紹介し、新規事業における
  標準化戦略のあり方を考える。

・12/9  標準化と知的財産権 中村嘉秀氏(アルダージ代表取締役社長)
「デジタル時代の知的財産問題」
   デジタル時代の知的財産のあり方、パテントプールの運営と課題について考える。

・12/16 標準化と知的財産権 加藤 恒氏(三菱電機知的財産渉外部長)
「企業における知財戦略と標準化戦略の融合」 
   技術の高度化・複雑化が進む中で、緊密化・複雑化する標準化、知的財産、独占禁止の
   関係を概説し、企業における知財戦略と標準化戦略のあり方について検討する。 

・12/23  レポート発表 

・1/6  グローバルビジネスと認証制度  長野寿一氏(経済産業省国際標準化戦略官)
「マネジメント規格・適合性評価の国際動向」
   ISO9000などの適合性評価システムの動向、新たな適合性評価システムの標準化の動向について学ぶ。  

・1/16 グローバルビジネスと認証制度 足立憲昭氏(イオンエンターテイメント常勤監査役)
   「企業におけるリスクマネジメントと認証制度」  
  企業における品質管理、環境管理における認証制度の活用について紹介し、企業経営と認証制度の
  関係について学ぶ。

・1/20 グローバルビジネスと認証制度  田中正躬氏(前日本規格協会理事長、元ISO会長)
    「社会インフラの国際標準化」
    社会システムに関する国際標準化の意義、国際標準化の戦略的な取り組みについて学ぶ。 

・1/27 標準化戦略の総括  田辺孝二
    イノベーションのためのツールとしての標準化戦略について総括する。

教科書・参考書等

授業時に配布する。授業の1週間前にPDF資料を送付する。

関連科目・履修の条件等

特になし。

成績評価

授業への貢献(40%)、レポート(30%)、出席状況(30%)により評価。

担当教員の一言

 企業戦略としての標準化を、各分野の第一人者から総合的・実践的に学ぶ授業です。
 イノベーション、知的財産、企業戦略に関心のある方にお勧めします。 

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