経営の歴史と理念   History and Philosophy of Management

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担当教員
鈴木 良隆 
使用教室
月11-12(CIC711)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
36026
シラバス更新日
2013年3月28日
講義資料更新日
2013年3月21日
学期
前期

講義概要

19世紀末から20世紀末までの日本の企業と経営を舞台に、今日みられる重要な特徴(「講義計画」2-14)がどのように形成されてきたかについて、当事者が置かれた条件と当事者の視点にそくして理解する。各回、はじめに討論資料についての質問に答えながら私が30分ほど話し、残りを重要な論点の討議にあてる。

講義の目的

経営の歴史は、法則的知識を使って結果から原因を究明するだけでは不十分であり、当事者が将来の客観的条件を予測しながら選択を行ったその過程を、当事者の立場に自分自身を置いてたどることが必要である。「理念」は、この選択を左右するうえでの最も基本的な要因である。あらかじめ配付する討議資料から、自分が当事者になったつもりで、なぜそのような選択が行われたについて、討論をとおして理解する。

講義計画

1 経営史の視点: 企業者の経営構想/現代企業の特徴/大企業の相対化
2 現代企業の出現: 日本における大企業の登場/日本企業と雇用/日本企業の発展方向/経営組織
3 技術者: この日本的なるものの出現
4 産業化と中小企業: 二つの中小企業/桐生の織物産地/製陶業の構造と革新/産業地域の形成
5 戦時経済と企業: 重工業化と協調融資/下請企業の系列化/雇用の一体化/経営管理の連続と断絶
6 雇用と企業内システムの確立: 年功制・終身雇用/従業員のコミットメント/TQC/職場集団
7 日本の大企業: 地位/戦略の類似性・同質性
8 日本の大企業(2): 日本電気と富士ゼロックス/管理手法の導入/組織構造
9 日本の大企業(3): 目標と行動様式の検証
10 大企業をめぐる金融システムの形成
11 大企業と中小企業: 取引システムの形成
12 大企業体制の解体: 大企業の存亡/中小企業の破滅/金融の壊滅/政策的基盤
13 自立する中小企業
14 大企業体制後の大企業 ―存亡の条件: 格差の拡大/企業目標の転換/差異性の追求
15 まとめ

教科書・参考書等

討議資料を配付する

関連科目・履修の条件等

とくに定めない。

成績評価

レポートに授業時間中の討論を加味する。レポートは、1題を選択し参考文献を読んで作成する。

担当教員の一言

一学期が終わって、自分がこれまで知らなかった考え方や知識を身に着けているようしてください。

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