- 使用教室
- 火11-12(CIC707J2-1601)
- 単位数
- 講義：2 演習：0 実験：0
- 講義コード
- 36041
- シラバス更新日
- 2012年9月25日
- 講義資料更新日
- 2012年10月12日
- アクセス指標
-
- 学期
- 後期
講義概要
新技術の市場化というイノベーションプロセスのなかで，戦略的ツールとして重要な役割を果たす標準化について講義する。標準化の基本概念，企業戦略として標準化への取り組み方，標準と知的財産権の関係，グローバルビジネスと認証制度の関係等について、第一線の専門家に講義していただく。
講義の目的
新技術の市場化というイノベーションプロセスのなかで、戦略的ツールとして重要な役割を果たす標準化について学ぶ。
標準化の基本概念、ビジネスにおける標準化の重要性、標準と知的財産権の関係、グローバルビジネスと認証制度の関係について理解するとともに、ケーススタディを基に、標準化をイノベーションのための戦略的ツールとしてどのように用いるかについて習得する。
講義計画
・10/2 オリエンテーション 田辺孝二 本講義の背景と目標、進め方、標準化の基礎知識について説明する。
（10/9 月曜日の授業）
・10/16 国際標準化の意義 和泉 章氏（ＮＥＤＯ部長、元経済産業省標準室長）
デファクト標準・フォーラム標準・デジュール標準の概念、国際標準化と国際ビジネスの関係、国際標準化の
プロセスなどについて概説する。
・10/23 ビジネス戦略と標準化（鉄鋼製品） 大橋 守氏（日本鉄鋼連盟標準化センター事務局長）
鉄鋼業における品質・試験方法などの標準化を事例に、業界としての標準化戦略、標準化専門家としての活動の
あり方について概説する。
・10/30 ビジネス戦略と標準化（国際ビジネスの視点） 原田節雄氏（日本規格協会、元ソニー）
国際ビジネスにおける国際標準化の重要性、国際標準化活動への企業の戦略について概説する。
・11/6 ビジネス戦略と標準化（イノベーションの視点） 田辺孝二
新規事業開発に関する標準化の具体的な事例を紹介し、標準化をどのようにイノベーションに組み込むかについて解説する。
・11/13 イノベーションと標準化 下東勝博氏（半導体理工学研究センター前社長）
産学共同研究の成果であるトランジスタモデルを国際標準化したケースを紹介し、最先端技術開発と国際標準化について考える。
・11/20 イノベーションと標準化 今井茂雄氏（LIXIL） ＜日本発抗菌検査方法の標準化＞
日本独自の抗菌コンセプトを国際標準化として実現したケースを紹介し、新たなコンセプトに関する標準化戦略のあり方について学ぶ。
・11/27 イノベーションと標準化 浜田恵美子氏（名古屋工業大学教授、元太陽誘電技術部長）＜事例：CD-R＞
日本発のイノベーションであるCD-Rの事業化における標準化を紹介し、新規事業における標準化戦略のあり方を考える。
・12/4 デジタル時代の知的財産問題 中村嘉秀氏（アルダージ代表取締役社長）
デジタル放送規格に必須な特許を一括して許諾するパテントプールについて紹介し、パテントプールの運営と課題について考える。
・12/11 標準化と知的財産権 加藤 恒氏（三菱電機知的財産渉外部長）
技術の高度化・複雑化が進む中で、緊密化・複雑化する標準化、知的財産、独占禁止の関係を概説し、企業における知財戦略と標準化戦略のあり方について検討する。
・12/18 グローバルビジネスと認証制度 田中正躬氏（日本規格協会理事長、元ＩＳＯ会長）
欧州のＣＥマーキング、環境規制に係る強制認証制度など、認証制度が国際ビジネスに与える影響、グローバルな視点から認証制度の役割と影響について学ぶ。
・1/8 マネジメント規格・適合性評価の国際動向 長野寿一氏（経済産業省国際標準化戦略官）
ISO9000などの適合性評価システムの動向、新たな適合性評価システムの標準化の動向について学ぶ。
・1/15 企業におけるリスクマネジメントと認証制度 足立憲昭氏（光洋 内部統制業務監査部長、前イオン室長）
企業における品質管理、環境管理における認証制度の活用について紹介し、企業経営と認証制度の関係について学ぶ。
・1/22 レポート発表I 田辺孝二
課題レポートについて受講生が発表し、課題についてディスカッションを行う。
・1/29 レポート発表II、まとめ 田辺孝二
課題レポートの発表・討議とともに、イノベーションのためのツールとしての標準化について検討し、総括する。
教科書・参考書等
授業時に配布する。授業の１週間前にＰＤＦ資料を送付する。
関連科目・履修の条件等
特になし。
成績評価
授業への貢献（４０％）、レポート（３０％）、出席状況（３０％）により評価。
担当教員の一言
企業戦略としての標準化を、各分野の第一人者から総合的・実践的に学ぶ授業です。
イノベーション、知的財産、企業戦略に関心のある方にお勧めします。
