先端科学技術に関する最新の研究開発の動向,事業化するための考え方等を習得する。
科学技術の先端分野における研究開発やイノベーションについて講義する。また、研究テーマの発見や発明・イノベーションのプロセスについても学ぶ。先端分野については、物性物理・応用化学・機械物理・生産工学・ロボット工学・電子物理・電気電子・バイオテクノロジー・ナノテクノロジー・情報環境・計算工学等の分野から、毎年5~6分野のローテーションで紹介する。この講義は特定分野の学生を対象とせず、専門外の学生にも分かりやすく解説する。
第1回 ガイダンス
第2回 広瀬茂男教授の講義(1)
ロボットは「人に役立つ」機械でなければなりません。そしてそのためには、人間の形、あるいは在来の機械の形などの先入観に囚われずに、独自の観点から目的に適した最適な形態を探り、オリジナルな形態を追求することが必要です。本講義では、ヘビやクモそして新型の車輪などを参考にしながら新たな形態を追求したいろいろなロボットを紹介します。
第3回 広瀬茂男教授の講義(2)
便利なロボットが社会に導入されると世の中はどの様に変わっていくでしょうか。本講義では、遠い将来に訪れるであろうロボット化され機械化された社会における人間と機械の関わりを考え、アシモフのロボット3原則の問題点を論じ、工学者が考える理想的なロボット化社会の姿を示します。
第4回 中嶋正之教授の講義(1)
第5回 中嶋正之教授の講義(2)
最先端コンピュータグラフィックス技術について講義します。現在は、コンピュータの使い方としては、インターネットの利用と、メールの送受信やワープロによる文章を作成する等の文字を中心とする処理です。しかし将来は、画像・映像制作への利用が広く普及すると言えます。本講義では、だれでも簡単にできる映像制作への取り組みにも挑戦していただきます。
第6回 圓川隆夫教授の講義(1)
我が国で起きたJIT, TQC,コンカレントエンジニアリング等のオペレーションズマネジメント上のイノベーションについて説明し、現在その強みとともに副作用として指摘されているガラパゴス化と呼ばれる現象や、過剰品質の裏側に潜む高コスト体制の問題について考えます。
第7回 圓川隆夫教授の講義(2)
前回の現象を、ホフステードの文化次元のスコア等から、日本文化が欧米や近隣のアジア諸国とも異なる”モノに対する高不確実性文化と同時に、概念や思想に対しては可塑融通性をもつ”という固有性から説明し、現在における弱みを強みに変える戦略について考えます。
第8回 高橋孝志教授の講義(1)
製薬企業で行われる創薬研究の場では、研究開始から新薬上市までに15年程度の期間を要すると言われています。薬の安全性に対する関心が高まり、今後薬剤評価に必要な期間の短縮は困難であると考えられているため、いかに薬剤の設計、合成を短期間で遂行できるかが大きな課題となっています。近年創薬研究において計算化学、コンビナトリアルケミストリー、ラボオートメーションといった合成工学的新手法の活用が活発化しています。本講義ではこれら技術の詳細について二回に分けて概説します。
第9回 菅野了次教授の講義(1)
蓄電池や燃料電池は、電気エネルギーと化学エネルギーを変換するデバイスであり、エネルギー利用の効率化に大きな役割を果たすことが期待されています。発電デバイスである燃料電池と、蓄電デバイスである蓄電池の概略を示すと共に、その開発の経緯・歴史と、今後の展開について2回に分けて講義します。講義では特にエネルギー利用の最適化に貢献する蓄電池を例にとり、パソコンや携帯電話の電源から、電気自動車などの移動体用や系統連携用の定置型電源の切り札として急速に開発が進んでいる現状や、日本の研究開発の課題、今後いかに発展の道筋を描くことができるかなど、サイエンスの立場からデバイス開発に至るまで、幅広い分野の研究開発例を示しながらデバイスの将来像を探ってゆきます。
第10回 高橋孝志教授の講義(2)
第8回(12月8日)の続き.
第11回 菅野了次教授の講義(2)
第9回(12月15日)の続き.
第12回 岩野和夫客員教授の講義
IBMが推進しているSmarter Planet、Smarter Citiesの構想とその現状を紹介するとともに、実現のための要件等について考察します。
第13回 小長井誠教授の講義(1)
わが国の太陽光発電技術開発は、1974年より国策として進められてきました。第1回目は、太陽光発電のしくみ、太陽電池の作り方、産業界の動向、太陽電池開発の課題と国の政策、新しい太陽電池の研究開発を紹介します。
第14回 小長井誠教授の講義(2)
第2回目は、なぜ日本が太陽光発電で世界一になれたのか、国の施策、強い技術への集中、学界の役割等について、これまでの歴史を振り返ります。一方、最近では、電力買取政策で我が国をあっという間に追い抜いたドイツ、ならびに我が国では開発をストップしたCdTe太陽電池で飛躍的な躍進をとげた米国の状況を紹介し、ついで、再び、我が国が世界一に返り咲くために何をすべきかを考えます。
第15回 まとめ
資料を配布
特になし
出席+レポート提出(2回)
オムニバス形式の講義となるので、担当教員のHPを見るなどして、事前に講義分野の基本的な知識を予習しておくことを推奨する。