イノベーションと標準化   Innovation and Standardization

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担当教員
田辺 孝二  江藤 学  原田 節雄  大橋 守  浜田 恵美子  今井 茂雄  加藤 恒  中村 嘉秀  足立 憲昭  田中 正躬  和泉 章  長野 寿一 
使用教室
水11-12(W934)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
36041
シラバス更新日
2010年9月29日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期

講義概要

 新技術の市場化というイノベーションプロセスのなかで,戦略的ツールとして重要な役割を果たす標準化について講義する。標準化の基本概念,企業戦略として標準化への取り組み方,標準と知的財産権の関係,グローバルビジネスと認証制度の関係等について、第一線の専門家に講義していただく。

講義の目的

 新技術の市場化というイノベーションプロセスのなかで、戦略的ツールとして重要な役割を果たす標準化について学ぶ。
 標準化の基本概念、ビジネスにおける標準化の重要性、標準と知的財産権の関係、グローバルビジネスと認証制度の関係について理解するとともに、ケーススタディを基に、標準化をイノベーションのための戦略的ツールとしてどのように用いるかについて習得する。

講義計画

・10/6 オリエンテーション  田辺孝二 
 イノベーションにとってなぜ標準化が重要なのか、本講義の背景と目標、進め方、標準化の基礎知識について説明する。 

・10/13 国際標準化の意義  和泉 章氏(NEDO部長、元経済産業省標準室長)
 デファクト標準・フォーラム標準・デジュール標準の概念、国際標準化と国際ビジネスの関係、国際標準化のプロセスなどについて概説する。
   
・10/20  ビジネス戦略と標準化  江藤 学氏(一橋大学教授、元経済産業省認証課長)
 標準化と企業競争力との関係、標準化がビジネス戦略に与える影響の大きさについて具体的な事例を紹介し、標準化をどのようにビジネスモデルに組み込むかについて検討する。
              
・10/27  国際標準化活動とは   原田節雄氏(日本規格協会国際標準化支援センター主幹、ソニー)
企業にとっての国際標準化の重要性、国際標準化活動への企業の取り組み、標準化専門家のあり方・スキルについて概説する。
                
・11/10  イノベーションと標準化 大橋 守氏(日本鉄鋼連盟標準化センター事務局長)<事例:鉄鋼>
鉄鋼業における品質・試験方法などの標準化を事例に、業界としての標準化戦略、標準化専門家としての活動のあり方について概説する。

・11/17  イノベーションと標準化 今井茂雄氏(INAX エコシステム開発課長)  <事例:抗菌製品>
日本独自の抗菌コンセプトを国際標準化として実現したケースを紹介し、新たなコンセプトに関する標準化戦略のあり方について検討する。

・11/24  イノベーションと標準化 浜田恵美子氏(名古屋工業大学准教授、元太陽誘電技術部長)<事例:CD-R>
日本発のイノベーションであるCD-Rの事業化における標準化を紹介し、新規事業における標準化戦略のあり方について検討する。

・12/1 標準化と知的財産権   加藤 恒氏(三菱電機知的財産渉外部長) 
技術の高度化・複雑化が進む中で、緊密化・複雑化する標準化、知的財産、独占禁止の関係を概説し、具体的な事例を基に、標準化戦略と知的財産戦略について検討する。

・12/8  標準化と知的財産権   中村嘉秀氏(アルダージ代表取締役社長)
デジタル放送規格に必須な特許を一括して許諾するパテントプールについて紹介し、知的財産戦略と標準化戦略の融合のあり方について検討する。

・12/15  グローバルビジネスと認証制度  田中正躬氏(日本規格協会理事長、前ISO会長)
欧州のCEマーキング、環境規制に係る強制認証制度など、認証制度が国際ビジネスに与える影響、グローバルな視点から認証制度の役割と影響について概説する。

・12/22  グローバルビジネスと認証制度  長野寿一氏(経済産業省国際標準化戦略官)
 ISO9000などの適合性評価システムの利用、新たな適合性評価システムの標準化の動向について概説する。  

・1/12  グローバルビジネスと認証制度  足立憲昭氏(光洋 内部統制業務監査部長、前イオン室長)  
企業における品質管理、環境管理、CSRに関するISO14000などの認証制度の活用について紹介し、企業経営と認証制度の関係について検討する。

・1/19 レポート発表       田辺孝二
  課題レポートについて受講生が発表し、課題についてディスカッションを行う。

・1/26  まとめ          田辺孝二 
  課題レポートの発表・討議とともに、イノベーションのためのツールとしての標準化について検討し、総括する。

教科書・参考書等

授業時に配布する。授業の1週間前にPDF資料を送付する。

関連科目・履修の条件等

特になし。

成績評価

授業への貢献(40%)、レポート(30%)、出席状況(30%)により評価。

担当教員の一言

 企業戦略としての標準化を、各分野の第一人者から総合的・実践的に学ぶ授業です。
 イノベーション、知的財産、企業戦略に関心のある方にお勧めします。 

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