実践知的財産保護   Practice for Intellectual Property Protection

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担当教員
佐伯 とも子  宮垣 聡 
使用教室
月9-10(CIC812)  
単位数
講義:1  演習:1  実験:0
講義コード
36021
シラバス更新日
2009年10月8日
講義資料更新日
2009年9月28日
学期
後期

講義概要

実践的な習得を目的とし,知財の保護という面から求められる,知的財産を権利として取得するための手続過程での手法,考え方,対応などについて講義し,初期の段階からより高度のものまで段階的に適宜事例を用いる演習を行うことにより習得させる。

講義の目的

企業などの組織にとって知的財産を的確に保護することが活用のための基礎となる。知的財産を的確に保護するための、出願に関連する諸手続、さらに特許権取得のためのより高度な手続である拒絶査定不服などの審判請求手続など、特許情報の活用としてのパテントマップについて講義する。
具体例によりこれらの手続の演習を行う。権利化の考え方を実際の企業でのケースにより紹介し議論を行う。

講義計画

01.イントロダクション(特許法基礎)(10月5日)
権利取得のための手続に関して特許法の条文を紹介し、その概要を解説する。
02.事例による特許取得手続(10月15日木曜日)
  権利取得に至った事例を紹介し、その手続での考え方、クレーム表現、明細書の記載の意義を解説する。
03.情報管理(IPC)(10月19日)
  特許情報の分類である、IPCについて解説する。各自パソコンを使用し、特許情報データベースであるIPDLを用いて情報検索演習を行う。演習をとおして、IPCについて理解する。
04.情報管理(特許検索)(11月2日)
  特許電子図書館(IPDL)を用いた、特許情報の検索手法を解説し、事例により検索を実習する。特許における種々の情報の意味を理解し、特許に関する公報の種類やその位置づけを理解する。
05.情報管理(パテントマップ)(11月9日)
  パテントマップの考え方、作成手法を解説する。前2回の演習を通して得た知識を用いて、各自テーマを選定して事例によるパテントマップを作成の演習を行う。
06.明細書の記載とクレーム表現(事例1)(11月16日)
 クレーム表現の手法について解説する。発明の事例を用いて、具体例である発明をどのように技術的思想として表現すればよいかというクレーム表現についての演習を行い、その結果をもとに議論する。
07.明細書の記載とクレーム表現(事例2)(11月24日火曜日)
 第2の事例を用いて、前回と同様クレーム表現の演習・議論を行う。
08.明細書の記載とクレーム表現(事例3)・明細書の書き方(11月30日)
 第3の事例を用いて、同様の演習・議論を行い、事例に沿って明細書の構成、記載表現を解説する。
09.特許要件(新規性・進歩性)の考え方(12月7日)
 権利取得のための中間的な手続にあたって、代表的な拒絶理由となる発明の新規性・進歩性についての考え方を事例に沿って解説し、議論する。
10.拒絶理由の考え方と対応(12月14日)
 事例を用いて、進歩性に関する拒絶理由の構築とそれに対する反論を議論する。
11.審判請求(12月21日)  宮垣聡 弁護士・客員教授
 権利取得のための高度な手続として拒絶査定不服審判、無効審判の審判請求手続について解説する。
12.審決取消訴訟(1月14日)
 権利取得のためのより高度な手続である審決取消訴訟について解説し、事例に沿って考え方を理解する。
13.知的財産保護ケース①(1月18日)
 企業における権利取得手続、係争のケースを紹介し、知的財産戦略における視点・考え方を解説する。
14.知的財産保護ケース② ディスカッション(1月25日)
 前回の事例に基づいて各自で調査した結果を、戦略の視点からの論点を挙げ発表する。

教科書・参考書等

テキストとして、資料を配布する。事例についても資料を配布する。

関連科目・履修の条件等

前期科目「知的財産権法」を履修していることが望ましい

成績評価

出席及び演習結果:40%、プレゼンテーション:40%、レポート(明細書): 20%
により評価

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