技術移転論   Technology Transfer

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担当教員
平井 昭光 
使用教室
火9-10(CIC812)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
36028
シラバス更新日
2008年10月1日
講義資料更新日
2008年10月1日
学期
後期

講義概要

技術移転は,ミクロ的には知的財産権のライセンス等の問題であるが,マクロ的にはアカデミアと民間企業,民間企業同士のコミュニケーションの一つであり,社会学的にも考察すべきファンクションである。このファンクションは,イノベーション,さらには国益に繋がる射程の広いものである。このような社会的に意味のある技術移転について,その政策から実務,法律論まで,具体的な事例を通じて検討し,その意味と役割を理解することを目的とする。

講義の目的

技術移転は、ミクロ的には知的財産権のライセンス等の問題であるが、マクロ的にはアカデミアと民間企業、民間企業同士のコミュニケーションの一つであり、社会学的にも考察すべきファンックションである。このファンクションは、イノベーションさらには国益に繋がる射程の広いものである。このような社会的に意味のある技術移転について、その政策から実務、法律論まで、具体的な事例を通じて検証し、その意味と役割を理解することを目的とする。

講義計画

01.技術移転の意義と政策(10月2日)
技術移転の基本はコミュニケーションであることを押さえた上で、その社会内での機能を捉える。その上で、技術移転に関係する法律を俯瞰し、米国と日本における技術移転政策の変化を検討する。
02.技術移転と特許法(1)(10月16日)
技術移転の対象となる知的財産権の中でも特許は非常に重要である。そのような特許法の基本を技術移転の観点から検討する。
03.技術移転と特許法(2)(10月23日)
前回の続き
04.バイオテクノロジーと技術移転(10月30日)
技術移転の対象として、その性質上、バイオは技術移転に適合しやすい。なぜ、適合しやすいのかその理由を探りつつ、バイオ関連の技術移転の実際について検討する。
05.IT技術と技術移転(11月6日)
ITも足の比較的早い技術として技術移転では重要である。そのようなIT技術の技術移転を概観する。
06.技術移転交渉実務(11月13日)
技術移転の交渉で押さえるべき点を確認した後、実際の特許出願を利用してロールプレイングで学習する。
07.研究段階の契約(11月20日)
NDA、MTA、共同研究契約など研究段階で用いられる典型的な契約を学習し、それらを活用できるようにする。
08.実施段階における契約(1)(11月27日)
ライセンスは技術移転の花形であり、到達点である。ライセンス契約の内容・問題点を理解し、その実務上の運用を身に付ける。
09.実施段階における契約(2)(12月4日)
前回の続き
10.特許紛争の処理(12月11日)
実際の紛争例を基礎としつつ、その解決の手法、制度についての理解を深める。
11.TLOの意義と機能(12月18日)
産学官連携におけるコミュニケーション・ギャップを埋めるファンクションを有するTLOについての理解を深め、そのあり方を検討する。
12.スピンアウト・カンパニー(1月8日)
ベンチャー企業の有する機能と実際を理解し、その果すべき役割を検討する。
13.利益相反(1月22日)
利益相反の本質と機能を理解し、ロールプレイングによりその運用を学習する。
14.まとめ(1月29日)
技術移転全体を通じて、フリーディスカッションを行い、疑問点をつぶし、理解を深める。

教科書・参考書等

各回資料を配布し、それをテキストとして用いる

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

出席状況:40%
ディスカッション参加:30%
レポート(1回): 30%
により評価

担当教員の一言

技術移転のダイナミクスと面白さを法律や実務の観点から,かつ実例を通して感じていただければと思い ます。企業に入る人,起業する人はもちろん研究者を志す人にも有意義なものにしたい,と思います。

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