金融リスク・マネジメント   Financial Risk Management

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担当教員
中川 秀敏 
使用教室
火9-10  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
36024
シラバス更新日
2006年7月26日
講義資料更新日
2006年7月26日
アクセス指標
学期
前期

講義概要

技術経営を実践する際には,環境や技術革新等の不確実性に起因する複雑なリスク要因をファイナンスの観点から,具体的に定量化しなければならない。とりわけ資産や負債の価値変動に直接関係する金利変動リスクや,債権のある取引先の財務安定性に関するリスクをどのように定量化し,管理するかは無視できない重要な問題である。
本講義では,以下のようなリスクを定量化する手法について解説する。
・ 金融資産(株式,債券)や負債の価格変動や流動性に関する市場リスク
・ 取引先の不渡りや倒産,それにともなう損失を扱う信用リスク
・ ヒューマンエラーやシステムエラーに関するオペレーショナルリスク
について一般的な考え方および具体的な計量化手法を解説したうえで,実際のデータを用いてリスク計量から管理に至る一連のプロセスを経験し,理解を深める。

講義計画

1. Introduction & Guidance (4/18) : 講義内容についての説明とオリエンテーション
2. リスクと確率 (4/25) : リスクを定量化するために不可欠な確率の概念の説明
3. 市場リスク(1) (5/2) : 市場取引される金融資産のリスク計量化 (1)
4. 市場リスク(2) (5/9) : 市場取引される金融資産のリスク計量化 (2)
5. 市場リスク(3) (5/23) : 資産ポートフォリオの構築(演習)
6. 市場リスク(4) (5/30) : 金利リスク
7. 信用リスク(1) (6/6) : 信用リスクの計量化とその手法
8. 信用リスク(2) (6/13) : 決算情報を用いた信用リスク評価 (1)
9. 信用リスク(3) (6/27) : 決算情報を用いた信用リスク評価 (2)
10. 信用リスク(4) (7/4) :信用リスクの移転・貸出プライシング
11. 信用リスク(5) (7/11) :決算情報を用いた信用リスク評価(演習)
12. オペレーショナル・リスク (7/18) : 低頻度高損失リスクへの対応
13. その他の様々なリスク (7/25) : 天候リスクや様々なビジネス・リスクなどへの対応
14. まとめ (8/1) :演習に関するフリーディスカッションなど

教科書・参考書等

特に指定しない。講義資料と板書により解説する。役に立つ参考文献等を必要に応じて講義中に提示する。

関連科目・履修の条件等

「コーポレートファイナンス」「金融工学」の内容および大学教養程度の確率や統計の知識を有している(第1回目に予備知識に関する簡単なテストを予定)。また、Excelを利用した演習を予定しているので、その際にはノートPCを持参できることが望ましい(グループで一つあればよい)。

成績評価

市場リスクと信用リスクの評価に関する2つの課題のレポートによって評価する。また、平常点も考慮する。

担当教員の一言

講義に関する WEB ページの URL は
http://www.craft.titech.ac.jp/~nakagawa/dir2/lecture.html

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