本講義では、情報の記憶、変換、表示、保存をはじめとする様々な情報技術の中で取り扱われる高度な機能をもつ先進的な有機材料および無機材料の中から、銀塩カラー写真、追記型光ディスクおよび液晶ディスプレイに用いる素材を取り上げて、それらの機能発現の仕組みと設計の考え方を、実デバイスの特性と関連付けて解説する。
本講義では、高度な機能をもつ先進的な有機材料の機能発現の仕組みと設計の考え方を、実デバイスの特性と関連付けて理解することを目的とする。
11月4日.「画像情報記録技術」
・ 概説と歴史
・ 銀塩カラー方式とインクジェット方式の比較
・ 銀塩カラー方式とデジタルカメラ方式の比較
11月11日.「銀塩カラー写真」
・ 色素形成法カラー写真(ネガポジ)の原理と素材
・ 色素拡散転写法カラー写真の原理と素材
11月18日.「機能性色素の開発」
・ 色素における光化学の基礎
・ 機能性色素の用途と歴史
・ 分光増感色素の基礎(マーカスの電子移動論)
・ 色素会合体の制御技術
11月25日.「追記型光ディスク」
・ 光ディスクの原理と歴史
・ 高耐久性色素の開発
12月2日.「機能性色素の開発2」
・ 2色性色素
・ ロイコ染料(感熱紙、感圧紙)
12月9日.「液晶ディスプレイ用材料」
・ 液晶ディスプレイの原理と構成
・ 液晶材料
・ ディスコティック液晶を用いた光学フィルムの開発
12月16日.「有機EL用材料」
・ 有機ELディスプレイの原理と構成
・ 有機EL用発光材料と電荷輸送材料
担当教員が作成した資料を用いる。参考書として、写真学会編「写真工学の基礎:銀塩写真編」コロナ社(1996)、「機能性色素の応用」(株)シーエムシー出版(2002)、「機能性色素の科学」(株)化学同人(2013)。
特になし
レポートと出席によって総合的に評価する。
化学反応を利用した光情報記録材料および画像形成材料の開発例を挙げて有機化学の基礎から解説します。