環境政策特論   Advanced Environmental Policy Study

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担当教員
小林 光  黒田 大三郎  谷津 龍太郎 
使用教室
集中講義等   
単位数
講義:1  演習:0  実験:0
講義コード
98050
シラバス更新日
2015年2月12日
講義資料更新日
2015年2月12日
学期
前期

講義概要

現代社会では,人間活動のあらゆる局面で適切に環境へ配慮することが不可欠になっている。これに伴い,人間がどのように地球の自然と接するべきかに関しての社会ルールがめざましい発展を遂げつつある。本講義では,こうしたルールの生成に主導的な役割を果たす環境行政に焦点を当てて,どのようなものの見方,考え方を背景にして行政当局が行動しているかを,当事者である現役の行政官や行政官OBが論じる。取り上げられる政策事例は,まさに政策発展の過程にある重要な課題に関するものであって,地球温暖化対策,環境経済法制,生物多様性保全,自然保護地域対策,自然再生,環境汚染対策,廃棄物リサイクル・処理政策など広範にわたっている。そこでは,諸科学の成果がどのように活用されているか,あるいは,行政の現場から研究に対してはどのようなニーズが寄せられているのかなども紹介される。これらを通じ,履修生には,環境の観点から人の行動を律することの重要性を理解してもらうとともに,自らも,国民として,あるいは企業人,研究者などとして,環境保全の役割をなお一層適切に,また自主的に果たせるようになることを期待する。

講義の目的

国内外における環境行政の進展を三つの方面から講述する。第一は,環境行政の社会科学的な側面に関してであり,地球温暖化防止に関する国際法及び国内法の発展過程を紹介するとともに,現下の課題や今後の展望を検討する。第二は,生態学の側面であり,生物多様性の現状,生物多様性国家戦略等を紹介し,人と自然との共生のあり方を論じる。第三は,理工学的な側面であり,環境汚染対策や廃棄物の適正処理を紹介し,技術と政策との関係を論じる。

講義計画

【講義方法】本講義は、集中講義方式で行います。
【講義室】すずかけ台キャンパスG5棟2階大会議室
26年度前期の講義計画は以下の通りです。
6月21日(土) 3~8時限(10:45~16:35)小林光 講師(慶應義塾大学教授,元環境省環境事務次官)
        ・各国を拘束する地球温暖化対策の発展と国際交渉             
        ・国内温暖化対策法制の発展と内容,今後の課題
        ・環境と経済の好循環を促す法規範の発展
6月28日(土) 3~6時限(10:45~14:50)黒田大三郎 講師(地球環境戦略研究機関シニアフェロー,元環境省自然環境局長)
        ・日本の生物多様性の現状
        ・自然環境、野生生物の保全ための法制度と条約
        ・生物多様性条約と我が国の生物多様性国家戦略
7月 5日(土) 3~6時限(10:45~14:50)谷津龍太郎 講師(環境省環境事務次官)
        ・我が国のマテリアルフロー、3R・廃棄物処理の現状
        ・循環型社会構築の最前線(静脈産業、都市鉱山、低炭素社会)
        ・放射性物質による環境汚染対策(震災ガレキ処理、除染)

教科書・参考書等

特になし

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

出席、各回のレポート

その他

連絡担当教員:環境理工学創造専攻 浅輪貴史
       G5棟408号室,内線:5552, Email:asawa.t.aa@m.titech.ac.jp

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