環境水理学特論   Advanced Environmental Hydraulics

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担当教員
中村 恭志 
使用教室
金7-8(G512)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
98001
シラバス更新日
2010年3月22日
講義資料更新日
2010年3月22日
学期
前期

講義概要

環境中の水の運動の基本原理について流体力学的見地から講述する。また,特に湖沼,河川及びエスチェアリにおける流動と物資輸送について具体的な例をあげ,観測される現象と基本原理の関係を解説する。以上の結果を踏まえ,水環境現象の探査・解析及び数値シミュレーションを行うための基本的考え方及び計画手法を概述する。

講義の目的

 自然界には、わずかの密度差に起因して生じている流れが多く見られる。また、わずかの密度が均質流体とは著しく異なる流れ場を形成する。このような「密度流」の特徴を知らないと、自然現象を「読み間違える」恐れがある。本講義では、均質流体の流れと密度流の違いについて、運動方程式に基づいて解説するとともに、自然界に発生する密度流の典型例についてその特徴を説明する。さらに、密度成層と水質変化の関連について言及する。

講義計画

  基礎方程式 ……平衡状態から変位、Boussinesq近似、その他の線形近似
1. 密度流の特徴……主要な無次元パラメータ
2. 二層界面の波……基礎方程式、速度ポテンシャル、解の接合
3. 同上………………微少振幅内部波、内部セイシュ
4. 連続成層場の波…Brunt-Vaisala振動数、重複波
5. 同上………………斜向する進行波
6. 不安定現象………Kelvin-Helmholts不安定
7. 成層場の乱流……エネルギーバランス、成層場のせん断乱流の特徴
8. 成層の鉛直混合…連行という概念、吹送流とWedderburn数
9. 同上………………Turbulent Erosion Model とDynamic Instability Model
10. 停滞水域の成層…成層の発生機構、成層の年間変動
11. 成層と水質………嫌気性と好気性、有機物に関わる主な生化学反応
12. 同上………………成層場での水質変化と富栄養化現象

教科書・参考書等

 湖沼工学:岩佐義朗、山海堂
 密度流の水理:玉井信行、新体系土木工学22,技報堂

関連科目・履修の条件等

 学部の流体力学または水理学を履修しておくことが望ましい。

成績評価

 宿題とレポート

担当教員の一言

 なるべく平易に話すつもり

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