構造材料特論   Structural Materials

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担当教員
篠原 保二 
使用教室
金5-6(G512)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
98015
シラバス更新日
2009年7月30日
講義資料更新日
2009年7月30日
学期
前期

講義概要

建設系の構造材料として,最も広範囲に使用されているコンクリートおよび鋼の力学的特性について講述する。特に,三次元有限要素法による解析結果に対する適切な評価に必要な材料の力学モデルを弾・塑性力学および破壊力学に基づいて解説する。

講義の目的

本講義では,有限要素解析のプログラム開発ではなく,汎用プログラムを使用し,その解析結果を評価するユーザとして必要な弾・塑性力学の基礎知識について解説する。

講義計画

1.コンクリートと環境問題

2.3次元の応力
1) 3次元の応力成分とその直交変換
2) 指標表示と総和規約
3) 主応力と応力成分の不変量
4) 2次元応力状態
5) モールの応力円
6) 応力の釣合い方程式と境界条件式
7) 応力関数

3.3次元のひずみ
1) 3次元のひずみ
2) 1点でのひずみ成分とその直交変換
3) 主ひずみとひずみ成分の不変量
4) 2次元ひずみ状態
5) ひずみの適合条件式と物理的意味

4.弾性体の応力ひずみ関係
1) フックの法則
2) ひずみエネルギーとエネルギー保存則
3) 弾性定数の一般論と直交異方性体

5.弾性学の基礎方程式
1) 微小変位弾性問題の基礎方程式
2) 弾性論における変位の基礎方程式
3) 弾性論における応力の基礎方程式

6.弾性学の二次元問題
1) 平面応力問題の基礎方程式
2) 平面ひずみ問題の基礎方程式
3) 軸対称問題の基礎方程式

7.応力関数の応用
1) 応力関数の構造とコーシー・リーマンの関係式
2) 多項式による応力関数の特性-逆解法
3) 先端荷重による片持ち梁の曲げ

8.降伏条件と塑性状態における応力ひずみ関係
1) 降伏条件(破壊条件)
2) 偏差応力
3) トレスカ,ミーゼスの降伏条件
4) 降伏条件の主応力空間での表示
5) 塑性状態における応力ひずみ関係

9.コンクリートの破壊基準
1) 鋼材の破壊メカニズム
2) コンクリートの破壊メカニズム
3) コンクリートの力学モデル
4) コンクリートの破壊曲面の特徴
5) 最大引張応力基準(Rankine)
6) 2パラメータモデル(Mohr-Coulomb & Drucker-Prager)

10.有限要素解析例
1) ひび割れ面のせん断挙動(平面応力)
2) 有孔はり(平面応力)
3) シリンダーの圧縮試験(軸対称)
4) 横方向プレストレスを導入したRC柱のせん断挙動(3次元)

教科書・参考書等

必要に応じて資料配布を行う。

関連科目・履修の条件等

材料力学、弾性力学の基礎知識があることが望ましい。

成績評価

授業出席、レポート、小テストなど総合的に評価する。

担当教員の一言

毎回出席をとります。
災害に対して安全であり,環境にも配慮した社会基盤を構築していくためにも,代表的な構造材料の力学的特性に関する理解を深めてほしい。

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